真鯛釣り名人降臨

5月19日 am6:00

北九州市小倉駅新幹線口そばのマリーナから出航する。まだ、人通りもなく車も走っていない。

新日鐵住金の赤茶けた鉄鉱石ヤードが小倉港の目印。

そして気になって仕方ない島「蓋井島」を眺めながら山口県の角島沖のポイントに向かう。ポイントまでは高速船でも1時間40分かかる。

これが船長考案の「たいらば」のしかけ。このひらひらのスカートが鯛にはたまらないのだろう。この目玉とかスカートとか、オレンジやイエローの色使いは季節ごとに使い分ける。

70センチ級の真鯛!引きが強く重かったぁ!腰が痛い。水深は80メートルほど。 このサイズのいとよりは珍しい。                      3匹目の真鯛。3.9キロの大物。深海から釣り上げると卵や内臓が飛び出してしまう。おやじにはもったいない魚の王様。船長はこの「たいらば釣り」界では知らない人のいない名人だ。

根魚の「黄あら」などのも交じり、釣果は4人で15匹ほど。いとよりのえらの鮮やかなピンク色がまぶしい。

さて、大漁だ。船長に神経締めしてもらい、頼めばうろこもとってくれる。ところで、この釣り上げた魚はどうするつもりだ。おやじは単身赴任の身ではなかったか。さらに「いい部屋ねっと」のアパートのおままごと仕様の台所には、さばけるスペースも包丁もないし、さばく気もない。さばいた身をどうするあてもないの、ないないづくしだ。夫婦げんか用の夫婦出刃包丁も練馬においたままだ。

そんなお困りの諸兄のためにに北九州の寿司屋チェーンが手を差し伸べてくれている。「買取システム」である。いきつけの居酒屋でもあれば、尻尾を持って「刺身にして一杯飲ましてくれい!」と大将にどや顔で差し出すこともできるが、あいにくそんな店もない。その寿司屋では真鯛であれば1キロ1,000円で、ヒラメならば2,000円でとあらかじめ買取の価格が決まっており、寿司屋にありがちな「時価」ではない。すぐに小倉の店に買取依頼の電話をして、持ち込んだ。お店で待っていたのは鋭い目をした築地市場の仲買人ふうの男ではなく、おだやかで優しい目をした優男のさかなくんだった。

商談成立。3.9キロ。ただし「1匹だけ引き取らせてもらいます」と。実は前日、「明日真鯛と、ひらまさを釣って持ち込むことになるから、仕入れもよぉーく考えて、包丁研いで待機しているように」と予告電話をしておいたのだった。しかし、その電話にでたおにいちゃんは、「うちも普段通り仕入れはさせてもらいます。」とまったくそっけなく、「いま買取の担当がいませんので、明日また連絡ください。」と事務的な役所の対応だった。なんでひとことでいい、「大漁をお祈りしています。いい鯛をお待ちしてます!」と弾んだ声でいえんのかねぇ。何気ないたったひとことが人を喜ばせることがある。でも、売れて嬉しかった。さて、残ったもう一匹はどうする。(次回に続く)

 

作成者: user

還暦を迎えてますます円熟味を増す、気ままわがまま、ききわけのないおやじ

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