道の駅-33~広島宮島SA~35コインパーキングの駅

 

東京~小倉間、高速道路でいったりきたりの定期便。東京を深夜に出発してその日の気分で今回は宮島SAで1泊お世話になることにする。午後の瀬戸内はお日柄もよく海はいつみてもやさしくおだやかだ。


SAには「広島カープ応援グッズ」山積みのおみやげ売り場があってコーナーはからし明太子みたいにまっかっか。広島の人たちはそんな瀬戸内海ほどおだやかではなく熱く情熱的というか熱狂的だ。

岡山をすぎたあたりからパーキングエリアは赤みを帯びたあやしげな雰囲気となり広島県の東端、福山にはいるともうそこは赤ヘルカープワールドで、他球団のつけ入るすきがなくなる。カープファンにあらずんば広島人にあらずの土地柄ゆえほかの球団のファンは地下活動化し「隠れ」となってひそかに声援を送ることになる。


不運にもバレたときにはファンによって代官所(代官も熱烈なファン)に連れていかれ「転ぶ」ように逆さづるしにされる。広島にはいまでも檀家制度があって表向きは「カープ教」の檀徒として登録されており、邪教に染まらぬよう子供の時から一貫して教育を受ける云々、、、

実はそんなことなど一切なく、他球団を嫌う、排除するわけではなくカープが熱烈に好きなだけの明るいファン。見よ、このカープ愛!


その特徴は福山の良心酒場「自由軒」の割烹着のおばあちゃんがそうであったように厨房からTV中継のバッターボックスに立った丸に向かって声援を送るなど市民球団だけあってファン層が老若男女全市民的に裾野が広いことで、そのためカープファンの結束は強くそれがカープの強さの秘密でもあるのではないか。

この酒場放浪記のよしだのおやっさんは収録中でありながらよくろれつがまわらなくまで飲んでは昭和の酒場の聖地を紹介している。ご常連さんのつまみのおすそ分けをちゃっかりねだる伝道師。自由軒にもごあいさつ。


ソフトバンクの柳田は福岡ではヒーローであるが広島出身でありながら日本シリーズでの頂上対決で広島にとどめを刺したことから、引退後はいずれ広島鎮魂巡礼の旅にでなければなるまい。


であるからして当然おやじも広島県を爆走通過中はなにかしら赤いものを身に着け(ハンカチでもパンツでもなんでもいい)カープファンを装い道中の安全を祈願するのだが、広島を通過したから安心かというとそうではなく信者たちは山口県いや山陰方面にも多数散っているため気が抜けない。どうせセリーグだしいっそのことカープの信者になってしまったほうがずっと楽だと思うこともある。

2019.4.1


34 別府の介護施設の駅 2019.4.3


35 黒崎コインパーキングの駅  2 019.4.4

そして、かねがね気になっていたコインパーキングでの車中泊。つまり、「コインパーキングの駅」デビューすることになった。

つねづね、数十年来飲み会の後電車やバスやなんかに乗らずに帰れたら、ホテルで泊まれたらどんなにいいだろうと思っていた。まてよ、できるやん!


飲み会のあと駅に向かうみんなと不自然に別れ反対方向へ歩き出す。

100Mほど歩いて駐車場に着いたら玄関からではなく裏口の後部扉から車に乗り込む。靴はげた箱へしまい(土禁!)、そしてかんたんなお着替えをして「おやすみなさい」する。

すでに居酒屋でもって念入りに歯磨き、薬用システマEX徹底殺菌で歯周病予防もしてある。問題は入浴だができれば今回のように飲み会の前にあらかじめルネサンスにいってはいっておくのがよい。


いままでのように飲んだ後ふらふら電車に乗りこっくりさんをやって、さらにバスに乗り換え、ゆらゆら歩いて帰宅なんてことなく、居酒屋から道路を渡ってわずか数分で「24時間営業自走式いきなり簡易カプセルホテル」にチェックインする。


「いきなりステーキ」のあと「いきなりホテル」「いきなりおやすみなさい」といういきなりコースも血が騒ぐ。

すべからくものごとには順番、順序というものがある。諸兄には心当たりがおありのことと推察されるところ「いきなり」やってはいけないことがある。

今回のケースは簡略化、省略のしすぎの感は否めない。あまりのあっけなさに拍子抜けする。

ドアを開けたらカプセルホテル。世間の常識、社会秩序、公序良俗上これでほんとにいいのか。たしか「公序良俗に反する宿泊は無効とする」という過去の最低裁の判例もあるが法令上「飲酒後酩酊状態にあり運転に支障があって、無理に移動を命じたならば重大もしくは深刻な交通事故を惹起せしめるおそれがあり、かつ、駐車場の管理運営上弊害がないと認められる場合はこの限りにあらず(下線は筆者)」と規定されている。(「路上宿泊法」施行規則1-2ー③)


北九州の黒崎あたりには繁華街であっても12時間500円(近郊の住宅地では駐車後24時間300円!もある)とかのコインパーキングも無数にあって使わない手はないと思った。

交通費、タクシー代は当然不要だし荷物もおきっぱで財布とケータイだけもって飲みに行ける。十分な睡眠をとり、おめざのあとの朝食は「資さんうどん」の朝定食(焼き鮭、貝汁変更)を勤めを終えたけばいキャバクラ嬢たちをちらちら眺めながらいただく。


車中泊派のみなさんはどうしているか気になったので様子をネットで調べると諸先輩たちは郊外の駐車場の広くとってあるコンビニにお願いして、駐車場の隅のはしっこの邪魔にならないとこに停めさせてもらったり、街なかパーキングではワン連れでわんわんうるさかったり、暴れたり歌ったりせず朝まで身をひそめて静かに横たわる分には許してもらえる、ということがわかった。


車窓にはカーテンをつけ、あらかじめ敷いてある敷布団とふかふかの羽毛布団にくるまる。快適なエアヒーター、居酒屋から数分、トイレは、ほとんど夜中にトイレで起きることはないが、いきたくなったら近くのコンビニのお世話になるとして、これはもうやみつきになりそう。


ご近所からは「あのうちのだんなさんは今朝も朝帰りざーますことよ」と噂されるがそんなことでめげてはいけないし、定年後は朝帰りくらいしないと若いもんにしめしがつかない。

ただし、駐車する場所の選定は重要で特に繁華街の酔っ払いたちのうろうろしているところは避けなければならない。おやじはかわいいから女性に襲われるかもしれない。コンビニが近くにあることも必須条件だが人通りの多いところはNG。だから事前の下見は欠かせない。早い話あやしいやつがいる場所はNGということになるが、考えてみればいちばんあやしいのはあんただよ!職質覚悟の無許可ホテル頑張って営業中!


36 友人宅でのホームパーティーの駅(マンションの駐車場 25番)2019.4.6


今日は小倉で待ち合わせして江戸時代の旧長崎街道沿いの酒屋「末松酒店」で角打ちすることになった。北九州の文化である「角打ち」。酒屋さんの店内、店先で客が勝手に酒を買って立ち飲みしている、ということで柿ピーや缶詰、魚肉ソーセージがつまみとなる。酒店は調理はしないのが基本だが中にはおでん鍋をおいてある店もある。

西小倉駅界隈には知っているだけで3軒の角打ちのできる酒屋さんがあって、昭和の雰囲気の中、酒瓶にかこまれ立ち飲みを楽しむことができる。立ち飲みのいいところは「ほろよい」でお酒を楽しめるところ。目がすわることもなく、「ここだけの話」などせずさくっとからっと飲めるところ。

2名、スーパードライ大瓶4本とクラッカーで1,400円ほど。2軒目は同じく長崎街道沿いの店「やなが」に移動。酒屋さんだけど「がめ煮」など家庭料理が楽しめる隠れ家的な居酒屋を兼業している。本日はおとなしくバスで帰宅。

2019.4.12

作成者: user

還暦を迎えてますます円熟味を増す、気ままわがまま、ききわけのないおやじ

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