2019年11月2日

NPO法人たしざんの「米粉でつくるパンのカフェ」

練馬区の西部の住宅街の中にはあちこちに武蔵野の面影を残す保護樹林があって、

なかには見事なえのきの巨木もあり、

昔の農家は北側には北風を遮る樹木を、そして南側には夏の木陰をつくる、そして冬には落葉し陽を受ける落葉樹を植えた。


そんな住宅街に「NPOたしざん」の運営する自宅併設のパン屋さんがある。

小麦のグルテンはアレルギーのある人たちだけでなく、ない人たちにも悪さをするといい、腸にべったり張りついて大腸がんなどの原因になるのではないかといわれている。

そこで代表の前田さんは障がいのある息子さんとともにNPOをたちあげ目的とする活動のかたわらグルテンフリーの「米粉でつくるパン屋さん」をオープンした

木曜と金曜日の限定販売で「玄米パン」と「シフォンケーキ」が人気で地元のおかあさんたちが次々に訪れる。

グランドピアノのあるカフェが併設されていてイートインコーナーもある。

息子さんはおかあさんの特訓でカフェでピアノのミニコンサートができるまで上達した。



私は練馬区の相談員として「NPO法人の税務会計」に関する相談に応じている。

前田さんは駆け込み寺のように相談にやってこられた。

NPOはさまざまな分野で地域に根差し行政の手の届かない活動を地道に行っているけれど財務基盤が脆弱で、税務会計に疎く、

ぎりぎりのところでやっているところがほとんどだ。

本来の活動はともかく人を雇い、給与を払ったり、煩雑な社会保険の手続きをしたりは専門外で手探りでやっている。

それが少なからずスタッフの負担となっている。


そんなNPOのためにお手伝いすることを決めた。

できることから社会にお返しすることにした。

こころざしをもって、社会に足りないこと、必要とされていることに向き合っている人たちにはこころざしでお返しするしかないと思った。


このNPOは代表の前田さんが「障がいがあっても出来ることがひとつひとつ増えますように、関わってくださる方が一人でも増えますように」との願いを込めて【たしざん】という名を付けた。

そして「親なき後も心豊かに住み慣れた地域で暮らせるように就労継続支援事業やグループホームを目指して活動している。


代表のまなざしのなかに障がいをもった子を思う母親の姿や、注いでいる愛情や、

そして同じような悩みを持つ障がい者を持つ家族に向けてなんとかしようとする決意のようなものを見る。

きゃしゃなおかあさんは疲れでこの夏何度も寝込んだ。


私の兄も障がいをもっていて母と同居していた。

母が介護施設に入所したあとは一人暮らしはさせないと覚悟を決め、両親亡き後は私が終生面倒を見るつもりでいた。

その兄は3年前の63歳の秋、膵臓にがんが発見されてから医師の見立てどおり3カ月であっというまに逝ってしまった。

もし、父母亡き後兄が存命ならば当然に終生面倒をみることになったであろう。


その面倒を見ることになったであろう労苦を同じようにご苦労されている人たちのために捧げるのは当然ではないかと思った。

そんな大げさなことではなく、しょせん私のことだから片手間のたかが知れている支援だけど

目の前にそんな人たちが途方に暮れてゆらゆら立っていたら手を挙げるべきではないか。

自分から声をかけるべきではないのか。

自分にできることで、汗をかくべきではないか。

そんなこと安倍晋三や練馬区にまかせて自分はもっとお金になることをすればいいのにという思いがいつも心の隙間をよぎる

でも、私はそうしようと決めたんだ。

 

2019/11/1

 

 

 

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