刀をさして奥方の用心棒としてauショップに同行した。黒澤明「用心棒」の三船敏郎になりきっていた。
9月2日東京は薄いセーター姿の若い女子が出現するほど肌寒かった。
わけもわからずお金に無頓着な奥方とともにiphoneXからiphoneSEに機種変更するのとauメインプランからUQモバイルの格安料金プランへの乗り換えをめざしのれんをくぐると奥の座敷に通された。
対応してくれたのは中堅のベテラン社員だったが、お茶もだんごもでなかった。
2時間にわたり料金プランその他について根掘り葉掘り聞いたし聞かされた。
まずはいま契約している料金プランのしくみについて。
奥方は2年半前にiphoneXを購入し月額6千円ほどの通信料をせっせと支払っていた。2年経過して機種を買い替えれば本体の代金は支払わなくてよいという契約だ。
勘違いしていたのは4年の分割で本体の代金を支払っていたと思っていたことで、そうではなく最初の2年間は通信料のみで2年すぎると本体の端末代の分割支払がはじまり通信料に上乗せられるという。買いかえるとその時点で端末の残債は免除となる。
2年で下取りされたまだ新しい端末には次の市場が待っておりそこでまた稼ぐ。
2年ごとに買いかえすれば「お品のお勘定はお支払いいただかなくても結構でございますだ、お武家さま」となる。
買いかえのきっかけとなったのはなぜ2年すぎたころに通信料金があがったかわからんという奥方の素朴な疑問だった。
ようするにキャリアはまず2年間の通信料で利益を確保しておく。そして2年目すぎてからの買い替えで新たな端末を購入してもらうことでそこでも利益を得る。ともかく通信料を払い続けてくれることが肝要で、そのため中途解約をいやがり高額の解約金を設定しこれが総務省のおしかりを受けることになった。
いきなりauから機種変とプランの乗り換えよりいったんauのまま機種変し、その後UQモバイルにした方がお得という。
解約手数料はかつて9,000円だったのが行政指導による新料金プランで1,000円となり、その分はその後値引きされるという。
通信料1Gを超えて利用する高齢者はどれほどいるのだろう。使用量をチェックしじゅうぶんおさまることを確認し1Gまでの契約とする。
UQモバイルにすると月額通信料金は2,000円ほどとなる。おしゃべり妻のためオプションで国内無制限かけ放題1,870円を追加する。30秒につき22円も払いたくない。
auを長屋の大家とするならUQモバイルは長屋に住む熊さんで、長屋と井戸と厠を使わせてもらっている関係にある。
店にとってもお客にとっても優秀な店員であった。こんなんどうですかと勧めてくれたのが「auでんき」
電気料金は変わらんが「auでんき」に加入すると「ぽんたポイント」がつく。我が家のばあい8月の電気料金が22千円だったから8月だけで1100円のポイントが還元されることになる。これに携帯の料金も加わり、毎月そこそこたまっていく。
これで「でんき」がでた。
目の血走った用心棒はいつのまにかおとなしくなり刀を脇に置いて店員に敬語を使うようになっていた。
先日Y〇M✖D▢電機の携帯コーナーで吠えてしまった機種変時のデータ移行サービスの料金はこうなったということだ。
なんも勉強せず携帯ショップおまかせにしているとこうなる。
「いつまでたっても自分で設定できないとショップ店頭で設定サポート料金がかかってしまう」と書かれている。
「いつまでたっても」がいい。「おまえはいつまでたってもしょうがないねえ」のおかあさんのお小言みたいで。
「ぼったくり」ではなく「いつまでたってもこの子は」だと理解したい。
ただでさえ老化が進み、目はかすみ、ライフリーのお世話になるかもしれん高齢者は日々世の中の進化についていかんならん。
iphone 13も来月10月発売となる。1Tの最高級モデルは20万円を超える。
老人勅諭
1 老人はITを尊ぶを本分とすべし
2 老人はみだりに吠えず
3 老人は姿勢(至誠)に悖ることなかりしか
3 老人は迷ったときどちらが「徳」かではなくどちらが「お得」かで考えるべし
4 老人は犯罪を車の欠陥のせいにすることなかれ
5 老人はみだりに娘と孫に金品をわたさず
6 老人はみだらな車線変更せず
7 老人はこの期に及んで誕生日だからといってFACEBOOKに「おめでとう」と投稿してくる友人とは縁をきるべし
2021/9/2