TVを観ているときかあちゃんは言った。
「佐久間良子の孫」
佐久間由衣といって街歩きの番組でパフェなんかを食べていた。品のあるものごしがかわ由衣。
「よく似ているなぁ、目元とか!色白だし!」
くちびるがぽっちゃりしているとこも。
佐久間良子はお母さまが練馬の桜台の大地主のお嬢様。500坪の邸宅。お父様は軍医上がりの製薬会社の役員。東映の幹部が女優にしたいと絶対反対の両親の説得に当たった。
大泉にある東映東京撮影所に通っていた。
平幹次郎はともかく鶴田浩二の恋人だった。
「人生劇場飛車角」での鶴田浩二の情婦役の半狂乱の演技には撮影終了後撮影所にどよめきと拍手が起こったという。ぼくも清純派女優の狂ったような迫真の演技にどうなることかとひやひやして観た。
かあちゃんも佐久間良子のことはよく知っている。いまの川村学園に通っていたことも知っていた。
「これでも、練馬の子だったからね」
「これでも、」と前置きをするところに、なにか深い屈折したコンプレックスが沈殿しているようだった。
そして「これでも練馬の子」は知っていて「佐久間良子の孫だ」とかいっておいらをだましていた。
だまくらかしていた。舞い上がったおれをはめた。
目が潤んでいる。井川遥もそう。
その間、「鶴田浩二」の名前がでなくなった。いつもきまって不思議と「名前」だけがでなくなる認知症。ほかの役者ならいざ知らず大御所の名前がでてこない。
特攻隊員ではなく整備兵だったのに特攻隊上がりだとかいっていたものだから特攻隊員や遺族から叩かれた。そんなことをしゃべくっているうちに鶴田浩二の名前を思いだすはずだと手がかりを求めて。
しれーっと「鶴田浩二でしょ。」といわれた。
もう一人「川村学園」出身で思いだしたが名前がでない。
ほれ、俺たちひょうきん族にでていた、がんになった、太田プロだったあの、、、
ふたりしても思いだせず、そのままになった。(-。-)y-゜゜゜
いまでいうと吉瀬美智子かな。
いまの佐久間良子おばあちゃんは上村恵美子にちかい。かといって上村恵美子を若くしたら佐久間良子になるかといえばそうはいかない。それでもたしかに目はしっとりうるんでいる。
三井アウトレットパークのCMにでている。
横須賀の子だった。
深田恭子、新垣結衣、そしてこれからは佐久間由衣、これで行くことに決めた。あの番組なんで録画しとかんかったん!