「映画監督」は那須で開催されているフェスティバルから帰ってきたばかりだった。じつはこの手のフェステバルはこの時期あちこちでやっているそうでここでの会場は那須高原南ヶ丘牧場。
やはり「監督」は野望を抱いている。2019年のこのショートフィルムフェステバルに作品を出品するつもりだという。大学時代に撮りだめた8ミリフィルムをデジタル化(量子化)した上で編集し、30分ほどの作品にしあげる、とのこと。
「審査員の二人が年配(表彰式で額を持っている受賞者の後ろの二人)で、彼らには40年前の時代を映した8ミリ映像にメッセージ性を乗せた作品は刺激的なのではないか。来年は授賞式で表彰台にあがるつもり。」と意気込んでいた。
任侠映画、特に東映映画についてこれでもかと熱く語った。今宵は映画を語るためだけに場を設定した。場所は東映大泉撮影所の人たちがよく使う老舗の古びて小さな隠れ家のような寿司屋。一人できりもりする二代目の大将も映画を語れる、とのこと。4時間ではとても語りつくせない。それにしても「監督」の豊富な作品の知識に舌を巻く。プロでやっていこうとしていた人の凄みといえる。
定年後しょぼくれるどころか野心的でアグレッシブであることに刺激を受け、感銘を受けた。「監督」は定年延長で来年の3月からフリーとなる。
そして「監督」のおすすめはこれ。BBCの「21世紀に残したい映画100本」に台湾映画で唯一選出された映画史に残る1991年の作品。待望の4Kレストア・デジタルリマスター版(Blue Ray)が発売されたというのをいただいた。原題は「A Britghter Summer Day」がまさかこんなタイトルになっている。
12年ぶりの大泉学園駅の北口は再開発でまるっきりかわってこじゃれたショッピング街と飲食店、そしてジュンク堂書店の巨大店舗ができていた。「失われた5年間」はここにも。もう本を探すために池袋にでる必要はないな。
そして、この駅は東映動画のおひざ元であることから「あしたのジョー」や松本零士さん(大泉在住)の作品のモニュメントがあちこちにおいてある。
2018.11.20