① 同じ工法で同じ材料を使い建設するなら比較のしようがあるが、1社として同じハウスメーカーはない。
② それぞれ「家」というハード、「住まい」というソフトについての設計思想をもち得意とする工法がある。大きくは木造か、鉄骨か、軽量鉄骨か重量鉄骨か、戸建てか、賃貸併用住宅か。ボクシングでいえばバンタム級かライト級かヘビー級か、リングがそもそも違う。まず、階級を決めてリングにあがること。
③ それぞれのメーカーがもつ企業風土、営業思想、方針の違い。じっくり時間をかけて相談にのってくれるか、なんとか早く契約に持ち込もうとあおる営業をするのか。TOYOTAとHONDAのディーラーの雰囲気が大きく違うように(次に買い替えるときはHONDAの車にしようと決めた)。KIRINとASAHIが違うように。東京と大阪が違うように。
今回、われわれの都合をおかまいなしに営業をかけてくる若い担当者を叱責した。指示した上司が悪いのだと思う。せっかくいい家をもちながら顧客の思いより業績をあげることのほうを大事にする会社なんだと。家づくりを支える裏方がどんなに資材や工法や設計に苦心して汗をかいても、最後のお客さんと接する最前線で信頼を得られなければ台無しになる。営業方針、営業スタイルはこれも1社として同じ会社はない。
④ 「地震」に対する向き合い方。「耐震等級3」の最高ランクの認定は最低基準を満たすという程度で、どのメーカーであったとしても東日本大震災や阪神淡路大震災レベルに耐えうるというものではない。「耐震等級3」に満たない業者は選択肢から除外。
メーカーの公開する耐震実験は同じ条件で実施されているわけではなくあくまでメーカー独自の実験である。まもなく起こるであろう大地震には鉄骨であろうと相当の被害を覚悟しなければならない。(鉄骨だけは大揺れのあと復元して残るが家屋はめちゃくちゃになっても全壊、半壊認定はされない。)
今後の方針
もっと情報を収集する。賃貸併用住宅のリングで、鉄骨構造で、「安全と住まいの」ための家づくりを顧客の思いを大切にしながら提案してくれるメーカーを選ぶ。セキスイハウスの提案や地元の工務店も検討してみる。
ライバルメーカーの欠点をあげて自社に誘導する営業する、契約をあおる、自分たちの都合で進めようとするメーカーは選ばない。(これはなにも「住宅」にかぎったことではない)他社に問題があることは自社が優れていることを意味しない。
それぞれの欠点はとりもなおさず各メーカーの家づくりのコンセプト、ターゲット、工法、材質、価格の違い、その裏返しから生じるものでそれをあげつらうのはフェアではない。そんな営業をする担当者への思いは信頼から軽蔑にかわる。自社の工法の欠点や問題点をきちんと説明できる担当者、かけだしの若造であっても、つまり信頼できる担当者とお話をさせてもらう。
「私たちはこんな住まいを自信をもって作っております。お客様のご希望にあうのであればお手伝いさせていただきます。一生に一度の買い物でございます、じっくりご検討ください。必要であればいつでもご説明いたします。」といえばいいことだ。
高い安いはその次にクリアすべき大きな問題だ。
その前に一般的に
住宅展示場をもっているクラスの大手メーカーは契約金額のおおむね50%を利益としてまずあらかじめ先取りする。
信託銀行の信託報酬、保険会社の事業費も信託財産、保険料からなにはさておき先取りする仕組みになっている。残りが原材料費を含めた下請け業者への支払い、信託運用資金、保険の財源となる純保険料に充てられる。
多額な本社維持費、事業関連費用、膨大な広告宣伝費、高い給与水準の直接間接部門人件費の請負契約金額への上乗せが行われる。
解体費用もざっと倍くらいになっている印象。
しかも坪単価80万程度の契約でもアパート並みの内装。
木の家といっても乾燥させた木からつくった集成材や合板は大量の接着剤で合成されたもので見た目は木でももはや木ではない。無垢材のような湿度を調節してくれる役目とは無縁の接着剤漬けの化成品ゆえ10年もすれば強度が落ちる代物。
30年一括借り上げといっても2年ごとに賃料改定。30年先まで見通せない人口減少時代の本格化到来を控え、都心の利便性のいい場所ならともかく入居家賃保証のサブリースビジネスモデルには不安が残る。
大手のハウスメーカーの営業マンは会社の都合と利益と自分の成績しか考えない。(これは今回はっきり透けて見えた)
見学会などへの執拗な誘いは、現地に何人送り込んだかが彼らの営業成績にカウントされるからだろう。
住宅展示場の大手メーカーの工法や安全基準などの信頼性は高いが値が張ります。
地元の信頼できる評判のよい工務店の無垢材の家などはどうでしょうか、、、、知り合いの税理士会支部長に紹介してもらうとしましょう。
検討継続:
大手メーカーの営業マンのペースで進めない。
営業マンはなんとかあの手この手で前へ進めようとするがこちらが進めたくなるまで応じない。
現地説明会参加不要。
このさい、消費増税の経過措置(2019年3月までの契約であれば引き渡しが10月以降となっても8%として扱う)に縛られることなく判断する。
参考:
- 木造:約18万円/平米、約59万円/坪
- 鉄骨造:約25万円/平米、約83万円/坪
大手住宅メーカーの建築にかかる原価は「実質工事価格」と「下請けマージン」を足した価格。
大手住宅メーカーは、「下請け工務店」に住宅工事を丸投げし、そして、実際にその工事をするのは、「孫請けの工務店」。
「実質工事価格」は、「孫請け工務店」への発注額、つまり外注費にあたる。建築資材はメーカーが開発した指定のものであろう。それを使わせる。そこにもすでに資材販売にかかる利益が上乗せされている。
その「孫請け工務店」がそれぞれの専門業者に発注するため3段階のマージンまみれとなる。親→子→孫→ひ孫
「孫請け工務店」の実質工事価格は契約金額の57%
「孫請け工務店」下請けマージンは約20%
間接経費として
営業経費5%、研究開発費5%、モデルハウス3%、広告宣伝費2%、
その他会社運営費7%
つまり43%が直接的な建築工事原価外費用ということになる。(2013年資料)
5000万円の建築請負契約をすると、下請け工務店のマージンに1000万円、営業マンの給与や販売促進費に250万円、5年に一度建てかえるモデルハウスの費用に150万円、広告宣伝費に100万円、その他会社運営費に350万円の負担をすることになる。
これが大手ハウスメーカーは高くつくのでやめなさい、という根拠になっている。
でも、在来一般工法ならともかく、鉄骨の3階建てやら、蔵のある家なんか地元の工務店じゃ建てられないっしょ!