招集されたからには出席せねばなるまい。もういままでのようないわれるままのおやじではいけない。これからは「ものをいう株主」になる。財務諸表を鋭く分析し質問を投げかけることからはじめる。
3月27日まで間もない。しかも名古屋国際会議場だ。急ごう。
大阪商工会議所の「ビジネス会計2級」試験を一昨日受験したばかりで決算書をいじりたくなった。
「お受験」では「連結財務諸表」への理解と指標の分析・評価を中心にA社B社の決算書をもとに数値の比較を行う能力が試された。2時間の制限時間がありぼやぼやしている暇も、お茶を飲むゆとりもなくひたすら電卓をたたく正確な計算能力も要求された。
試験中に試験が終わったらお昼に何を食べようかなどと思うものならたちまち時間が過ぎていく。
緩い生活に浸かったおやじの心のすきまに体の悪魔の防衛本能がそんなにがんばらなくてもいいよ、適当に回答しておいしいものでもたべにいこうよ、合格してなんになるの?と耳元でささやくのだ。
そんな「妄想」を振り払いながら、将来のある若い女子や青年たちに交じって受験している。おやじと同様に年配のおっさんの姿もちらほら見かける。
どうやら私と同じように何か勘違いしているような雰囲気を持った方々もおられるような気がした。
朝早く起きて机に向かうおとうに向かって、おっかぁは無神経にも
「そんな試験受けて何になるの?」と首をかしげる。
女子はなんもわかっちゃいない。これだから困る。とはいえ「受かったからといってなんもならん。」と素直に白状する。
しかし、会計にかかわる仕事に携わってきていながら、「商法」の大改正で「会社法」が平成17年に成立してから「連結財務諸表」の理解をしないままずっとごまかして生きてきたことがのどに刺さった骨のように自分自身の負の遺産(ほかにもたくさんあるのだが)として気になっていたのだ。
そのもやもやに「決着をつける」「終止符を打つ」ことにした。
男にはしめしをつけなければならないときがあるのだ。いまさらであろうと高倉健と池辺良が我慢しきれなくなって二人で悪い親分のとこに命を顧みず殴り込みにいくのと似ている。
男一匹62歳、壺を振って数十年、いかさまだらけの緋牡丹おやじ、
止めてくれるなわからずばばぁ、無駄とは知りつついかねばならぬ、泣くな電卓腱鞘炎、、、、
試験会場は水道橋の日大経済学部校舎。2級の試験終了後続いて行われる1級試験の受験者たちが入り口で入場待ちをしている。
挑戦者たちの顔がまぶしい。自分はつくづく2級の男だという気がして、、、
神田に来たついでに「東京堂書店神田神保町店」で今月21日に開催される椎名誠さんのトークイベントの参加予約をする。
わが師と仰ぐお方なのだ。お会いするのは数十年前の銀座ヤマハホールでの講演会以来。
最近読んだのは「ぼくがいま、死について思うこと」で世界の国々の死生観とお葬式の在り方に考察を加える、というものだったが、
①死に方、どんな死に方がいいか、
②お葬式をしたいか、どんなお葬式をしたいか、
③ユーレイになってでたいかを友人たちにインタビューを試み、語り合うというのがおかしかった。
今回の企画は『わが天幕焚火人生』刊行記念。タイトル「わが天幕焚き火人生を語るーあぁ、思えばいつも三角屋根を見ながら旅してたー」
椎名さんのおとうさんも公認会計士だったね。