5世紀にアイルランドにキリスト教を伝えた聖パトリックを記念する祝日。3月17日。エンパイアステートビルや伊勢神宮の大鳥居などの世界各地の名所も緑色にライトアップされた。
春の日差しのなか、この日の表参道のパレードには約1500人が参加し、お祭りムードに包まれた。
聖パトリックよりおばちゃんたちのほうが目立っている。バルセロナオリンピックで金メダルとった岩崎恭子のオープンカー祝賀パレードで本人よりも沼津市長の方が目立っていたことを思い出す。大使館の家族だろうか。ここでも忖度、が脳裏をよぎる。
パレードでは観客を含め「なんでもいいから何かしら緑色のものを身に着ける」のが決まりだ。そういえばダブリンの2階建てバスも緑色。
東京中のアイルランド人が表参道に集結している。お祭りに合わせコンビニには大量の「ギネス」ビールも用意される周到さ。泡がもわっともりあがって焦げた苦みの中にコクがあってガツンとくるGuinessはおやじの特別な日のご褒美。
三つ葉のクローバーがシンボルでキリスト教の「三位一体」(父なる神・子なるキリスト・聖霊)を表す。そのため「グリーン」がシンボルカラー。
代々木公園のブースではおきまりのフィッシュ&チップスやマッシュポテト、などが味わえる。ラグビー大国で今年日本でワールドカップが開催されるためPRにも余念がない。
いかにもスタジアムで熱く燃えそうなギネスおじさん。
イギリスの植民地としての歴史、カトリック、プロテスタントの宗教対立、IRA(アイルランド島から英国を駆逐する武闘派)いろいろある。
言葉も違いアイルランド語。じゃがいも飢饉と数百万人のアメリカへの移民(J.F.ケネディー、ロナルド・レーガンなどの祖先)。
ウイスキー発祥の地、「飲んだくれ」「時間にルーズ」のイメージがある。シャイだったり愛情表現が下手だったり、表と裏があったり、アイルランド人の男ん子が「大丈夫」といったときはたいてい大丈夫ではないなど、とおやじを筆頭に日本人と似ているところもある。
観客にカボチャのボールを投げ込むラガー少年。いつかスタジアムで会おう!
いかにもかしこそうなわんたちもパレードに参加した。
この子たちは「わん」とか「きゅーん」とかしか言えないが私たちのいうことはちゃんとわかっているし、おやじよりずっと情が深いしいろんなことをわきまえている。
「盲導犬」などは賢さ、大人度はおやじ以上だとしみじみ思う。飼い主よりすぐれているワンたちは日本中に相当数いるはずだ。思い当たる家族は片手ですまない。
ほかにバグパイプ鼓笛隊(日本人ばっか)の行進もあり雰囲気をもりあげる。
「伊藤園」の「おーいお茶」チームもオリンピックの時の日本選手団のように大集団でパレードしているがなにか違和感があった。協賛してくれる大事なスポンサーとして大目にみよう。
奥さまが日本の女性、という家族を多くみかけた。国民性からかアイルランドの男性と日本の女性とは合うのかもしれない。アイルランドの女性は自分からアプローチせず男性から声をかけられるのを待つ、その一方でひとたび結婚するとおくさんがだんなを裏で操る、というしたたかな面も。
最近まで憲法で離婚が禁止されていたことも関係しているのかもしれない。世界的に見て日本の男性はぱっとしないし、女性に対してやさしくもないからもてないのかな。
妖精「トロル」だろうか、近づいてくると女の子は泣き出してしまった。
私の敬愛するラフカディオハーンはアイルランド人の父とギリシャ人の母を持ち、詩や精霊のケルトの世界を父から受け継いでいる。
2019.3.17 表参道