約束通り再びやってまいりました。長門市仙崎。ここから出港したケンサキイカ夜釣りもなつかしい。
梅雨明け、台風明けの日曜日とあって道の駅「センザキッチン」はたいへんにぎわっている。よかった。はなばなしくオープンしたのはいいけれどしだいに元気がなくなっていく施設をこれでもかとみてきたからね。
この長門の景色が仮住まいへの引っ越し、1か月20回にわたるコンテナへの搬入でへとへとになったおやじをいやしてくれる。
タンスは4棹、本棚無数、収納ケース、段ボールは数え切れず。サカイさんには段ボール最終的に150箱をもってきてもらった。これでコンテナ奥の半分。
基本パックでは50箱のところ、気持ちよく100箱追加で無料で持ってきてくれた。サカイの男たちはみないいやつで力持ち。たいへんな仕事なのににこにこして作業している。社員教育の秘密はなんだろう。2人のうち一人は話し好きのネパール人で。カトマンズのことやネパール料理のことを教えてもらったりした。
使用済みの段ボールは無料だということでお願いしたら、もったいぶることなく2回にわたり新品を届けてくれたことに引っ越し実績日本一の秘密を見たような気がした。
8畳サイズでいっぱいいっぱいだった。建て替えのさいの仮住まいへの住まいの引っ越しは実はたいしたことはなく、ベッドやピアノ、冷蔵庫、洗濯機、エアコンの大物を業者にお願いすればあらかた終わりで、仮住まいに持ち込まず捨てるもの、保管するものの仕分けとこのコンテナへの搬入が引っ越しのメインイベントだった。判断を伴うその仕分け作業はほかの人に手伝ってもらえないのだ。仕事をフルタイムでやっていたら音を上げていたのは間違いない。
年代物のタンスは処分するのにはもったいなくて骨董品として使ってくれるお店を探すことになった。
センザキッチンには世にも珍しい「木の美術館」があって遊びスペースでは子供たちが木とふれあうことができる。
ショップのぬくもりある木の玩具、おもちゃ。いい値がついている。
でも、あたりまえだと思う。陶芸と同様職人が何時間もかけて手作りしているのだ。
DAISOが私たちの日常品を100円で提供するようになってとても助かっているのだけれど、一方で台所用品、食器、文具にしてもおもちゃにしても日本人の手作りのもろもろのものを駆逐していって、身の回りはチープなものであふれるようになってしまった。
この道の駅のインフォメーションには案内嬢としておばあが二人で座っている。(中央ガラス越し)どのようないきさつがあって選考がなされたのかその経過は知る由もないのだが、安倍総理のおひざもとだけに「忖度」があったやもしれない。
近くの温泉施設を教えてもらおうと忖度おばあシスターズにだめもとでたずねてみる。すると二人のおばあの目が光って、それが「待ってました」のサインであることを知った。すかさず長門日帰り温泉マップを差し出し近くの3つある施設のうちのひとつ萩に向かう途中の「湯免(ゆめん)温泉ふれあいセンター」を勧めてくれた。(黄波戸温泉、長門湯本ー現在建替えのため休業中)
そこは「至福の空間」であるという。いままさに温泉にゆったり浸かっているかのようなゴクラクな表情で「とてもいい施設で500円で入れる」とうっとりしながらいう。さらに「ここから13分でいける」といって二人して背中をおす。その眼はここでいかないと後悔するよという老婆心(当然だが)に満ちていた。
そのときこのおばあたちは忖度で採用されたのではないとしみじみ確信した。地元のおばあたちが輝き活躍する場がここにある、と感心した。これが若くてきれいな受付の子なら「至福の空間」とは間違ってもいわない。若くてきれいな娘の「至福の空間」は異性がらみの別なところにあって温泉センターでじじばばにまじって至福にひたったりするひまはないからである。
仙崎港の朝日とごほうびの海鮮丼(豊北道の駅・道の駅人気投票で日本一になった)
この日は「よこわ」(本マグロの幼魚)が入荷している。近くの青海島あたりであがるのだ。松方弘樹とその仲間たちが本マグロを求めて大挙してやってきてから漁場は荒れたという。私としては地元丼に北海道産の「いくら」とノルウエーからやってきた「サーモン」のよそものはいらん、と思っている。ちゃらちゃらお化粧しなくてもいいと思っている。
SA福山ー43
道の駅センザキッチンー44