イタリア北東部ヴェネト州の高級赤ワイン。
なかでも「アマローネ」はこの地方が誇る特別な赤。
ちゃんと発音できない。ベローナのファビアーノという蔵元のもの。訳あって頂戴した。
「アマローネ•デッラ•ヴァルポリチェッラ•クラッシコ」
「1912年に現オーナーの祖父にあたるフランチェスコ・ファビアーノがヴェネチアのサンマルコ広場の近くにワインバーを開いたのがファビアーノ家のワインビジネスの始まり」という。「新井基之のイタリアワインカタログ」より
ENOTECA online より
イタリア北東部に位置し、南にはアドリア海、北部は山岳地帯で山や湖、海に囲まれる自然豊かなヴェネト州。イタリアワイン生産量トップを競う地でもあり、白ワインのソアヴェ、赤ワインのヴァルポリチェッラ、スパークリングワインのプロセッコが有名です。特筆すべきワインとして忘れてならないのがイタリアの最高級赤ワイン、「アマローネ」。ヴェネト州のヴェローナ地区で、限られた生産者がごく少量生産し、かつては王侯貴族しか口にできなかったと言われるほど 贅沢に造られた稀少な銘柄です。 陰干ししたブドウを発酵させる伝統製法によって生み出されるワインは、 妖艶な香りに加えビロードのような質感とヴォリューム、チョコレートを思わせる苦味が渾然一体となった、唯一無二の味わいです。
栓を抜けなくなった。どないしてくれる!
「アマローネはイタリアを代表する高級赤ワインで、
イタリア・ヴェネト州ヴェローナ近郊、ヴァルポリチェッラ地域で作られる伝統的なワインです。
一房ごと手摘みで収穫したブドウは、数ヶ月間陰干し。糖度を高めて造られます。
20年以上に渡る熟成を期待できるものもある秀逸な出来が魅力。」
(楽天市場サイトより)
ワインは好きだけどいつもハウスワインばかり。インポート物に必ずといっていいほど添加されている酸化防止剤(亜硫酸塩・形を変えた硫黄 *「かんぴょう」には脱色のためじゃぶじゃぶ使われている)のあのピリピリした舌触りがいやで無添加の山梨勝沼の蒼龍ワインの一升瓶詰めをもっぱら愛好している。
ビールや泡盛ならある程度語れるがワインはからきしだめだ。からきしだめでもそれでいいと思い続けてきた。
こんな高級ワインをいただいても味がわからん。
インポーターとお知り合いのご主人には「味がわからないので価値が分かる方に飲んでもらったほうがこのワインもよろこびますよ」といったものの。
しかし、来月いただいた方のおうちのホームパーティーに招待されている。
ご主人から「こないだのワインいかがでしたか?」と聞かれることは必定だ。
だから、最低でもこのワインのことを知っておきたい。
1本のワインがまたおやじの研究心、探究心に火をつけた。
これでお勉強することにした。
このカタログはたまたまBOOKOFFの練馬高野台店で見つけたもので、
定価3800円、319ページのものがプロ向きなためか誰が買うわけでもなく売れ残ったのだろう210円で悲しく販売されていた。
そして、この蔵元のことをにわか勉強する。
そうか、ふむふむ「赤ワイン」が主に醸造されていて、ぶどうの品種は コルヴィーナヴェネローゼが使われている、と記されている。飲み頃は0年から30年、サービス方法はデカンタに移してから30分待つこと、とある。
さらに、「ややオレンジがかった濃い目のガーネット色。
#ガーネット色とは。
粘着性は高い。ヨード、甘草、干しプルーン、エーテルの香り。構成のしっかりした丸みのある甘口で、後味にややスパイシーさが残る」とこのワインに対する説明が添えられている。どういう味わいなん?
他のワインの解説には「明るいルビー色」「紫色を帯びた濃い目のルビー色」「「オレンジ色を帯びたガーネット色」、白ワインでは「黄色を帯びた濃い目の麦わら色」「琥珀色を帯びた黄金色」などと表現されている。
「明るいルビー色。スグリのジャムをつくっているときの香り」(ヴァルポリチェッラ・クラッシコ・スーペリオーレ)はぁっ?
ワインはとんでもなく奥が深いことがわかる。シーザーのローマ帝国からの歴史がある。
もっと前かららしいけど。
「小石や砂利を含む水はけのよい土壌と小高い丘や丘陵地帯」がワイン造りの好適地というから日本ではずばり山梨勝沼!
勝沼のブドウはヨーロッパ種で古代にシルクロードを経由し渡来人によってペルシャから持ち込まれたものという説がある。この辺はまた別の機会に。
イタリアワインはフランスなどもそうであろうが法律で厳格に格付けがなされている。
「ワイン法」が1963年に制定される前は「質より量」であったという。
ワインになるブドウの品種はイタリアではなんと157品種もある。
「D.O.C.G 」 統制保証原産地呼称
「D.O.C」 統制 原産地呼称
「Denominazione di Origine Controllata」
「V.d.T. I.G.T」 地理的表示付 ヴィーノ・ダ・ターヴォラ
「V.d.T」 一般食事用ワイン ヴィーノ・ダ・ターヴォラ
わかりますね。 超最上級 「D.O.C.G 」 はヴェネト州で1銘柄しかないため「D.O.C」のワインは事実上私ごときがいただける最上級のもの、ということになる。(「D.O.C」は15銘柄)
そして、その下に表示されている「CLASSICO」(クラッシコ)とは何を意味するか。
「特定の古くからあるブドウ園のブドウから造られたもの」ということ。
ブドウは足で踏んでほっとくとワインができる。それだけに原料のブドウと気候や 土壌が大切だ。
それに引き換え日本酒はたくさんの工程を経て、そのたびごとに、手をかけてもらい醸造される。
世界的にもこんなに手間暇かけてつくられるお酒はないということだ。
知ったかぶりして、エラソーにワイン通を気取るキザ野郎とは一緒に食事などしたくない。
それでも、ワインに対するリスペクトは持ちたいと思っている。
土壌やブドウの木の手入れにはじまり、どんな思いでワインが職人たちの手で醸造されているか、イタリアの陽光と風、陽気な職人たち、いいワインができた時喜び合って乾杯をするワイナリーの歓声、そんなことを思いながら大切にいただく。
おいしいワインがあることでどんなに食事がはなやいで豊かなものになるか、
おおげさに言えばどんなに人生を豊かにしてくれるか。
知ったかぶりなんかせずに、うんちくも語らず、「アナと雪の女王」のように、ありのままに、自分らしく、背伸びせず、卑屈にもならず、がワインに限らずいちばんだと思うな。
2020/2/21