富裕層とお付き合いするようになって高価なワインいただいてそれがそんなにうれしいか?
車中泊だのセントラルヒーティングの家の新築だのそれがそんなにめでたいか!
バカか、お前は!
このこども食堂の六郷さんはいつも微笑みを絶やさず、「頭から腐っていく」とかヒステリックに叫んだり大きな声をだすこともなく、狭いマンションで寝そべったりマンガ読んだり、宿題をしている子供たちを静かに見守っている。六郷さんが子供たちを叱ったり怒ったりしているところを見たことがない。
1年365日、朝、昼、晩、決して広くはない部屋を開放して無料で子供たちに食事をふるまう。ボランティアとともに子供食堂を運営している六郷さんの思いが分かるか?
税金つかってさくらを見てピコ太郎呼んでバカ騒ぎをしている政治家たちよわかるか。
頼みもしない法律をつくったりする一方で向き合うべき、やるべきことをやらない。それは彼らが「貧困」を知らないからだ。というより「知ろうとしない」からだ。
深刻な母子家庭の貧困問題、貧しくなくても家庭内の不和から家で居場所のない子供たち。
東京板橋の高島平の子供食堂のマンションを訪ねるといつも2階の玄関には小さなかわいいスニーカーがいっぱい並んでいる。子育てに悩む母親の駆け込み寺でもある。これには六郷さんも手を焼いている。
30人分の食事をつくる小さなキッチンは部屋中もうもうと湯気が立ちこめ、メガネが曇ってまえがみえないほどだ。
街角で募金をよびかける若者の姿を見るたびに思うことがある。
声をからして叫んで人からお金を集めるのではなく、その日一日アルバイトでも何でもいいから自分で黙々と汗をかいて働いて、それを寄付すればいいと。若いし体力もあるし、よっぽどお金になるよ。
「呼びかけること、知ってもらうことが重要なんです」といいたいのだろうがそんな見え透いた自己満足などだれが信用するものか。
開設2周年のパーティーに私も誘われていたけど仕事がはいっていて参加できなかった。
会場はホテルニューなんちゃらとは違って、久兵衛のお寿司も豪華なオードブルもないけれど、一番搾りの缶ビールとおーいお茶のペットボトル、そして唐揚げやポテトフライをつまみにおつかれさまがんばろうねのこころからのパーティー。
六郷さんをはじめボランティアの調理師さん、大学生のボランティアたち、2周年おめでとう!
2020年2月25日 東京新聞