ゴールデンウイークは仕事で明け暮れた。仕事をかたづけ、ようやくはたぼーSW号で夜明けのコーヒーが飲める。
大阪は梅雨入りしたけど関東はまだ、明日は晴れるという気象予報を信じ、軽井沢に向かった。
これでも梅雨入りしてないと気象庁はいいはるのだろうか?担当の課長や部長はどう釈明するつもりなのか。
「答弁は差し控えさせていただく」つもりなのか。
ついでにこんな緊急事態宣言の中でオリンピックほんとにやるつもりなのか?
IOCの利権やスポンサーまみれのオリンピックを見直すいい機会になったのかもしれない。
予定では車を駅前の駐車場に停めて、よっこらしょとバイクを降ろし、初夏の風をうけて旧軽井沢あたりを散策するつもりだった。森のくまさんの歌も口ずさむつもりだった。口笛も吹くつもりだった。
そして、腸詰やで軽井沢ビール片手にヴァイスビュルストのホットドッグを口いっぱいにほおばることになっていた。「ばえる」つもりだった。
こんなときぼくはどうしたらいいのだろうか。
軽井沢は長いこと東急のリゾート会員だったからそこそこわかっているつもりだったが、なにかが違うのに気がついた。
早朝4時すぎに到着したのがそもそもの間違いだった。今回夜明けのコーヒーを飲むつもりだったセブンイレブンをはじめ夜逃げ男に必要なコンビニ、マックなどがもれなくそろって7時からの開店となっていたのだ。
しかもけばい看板はドラッグストアに至るまでグレイがかった、京都のコンビニや銀行のそれのようなダークな喪中看板になっていた。
24時間営業と派手な看板が駆逐され、トイレも使えない。別荘族ファーストで決められた条例のおかげで放浪者であるわしらの居場所がない。お高くとまるのもほどほどにしてほしい。
そこで小諸方面に向かい、御代田にはいったとたんセブンイレブンが虹色に輝いていた。「開いててよかった!」とどこかできいたことのあるフレーズで叫んだ。
佐久平までいけば人が生きていくうえで必要な店が揃っている。
軽井沢にきた時に必ず寄るのは小諸に本店がある地元資本のスーパー「つるや」で信州愛に満ちた品をまとめ買いをすることにしている。こんなスーパーがあったらいいなのベストテン最上位にランクしているだけでなく、いくたびにオリジナルブランドの品が増えて進化している。
自分たちがいいと思うものしか売らない、それをつるやブランドとして並べようという意志を感じた。おつまみでさえ食べきりサイズに小分けしたパックにしていた。
「きょうのジュースなんにする?」「シナノスイートか紅玉が飲みたい」、、、
こんな会話が交わされる、2世帯りんご家族。
ジャムはどうだ。地震がきたらどうするん?
あんずは小諸の先の信州中野の名産品。峠の釜めしにものっている名脇役。
千曲川は北に向かって流れており、東京人をまず驚かせる。
それでもつるや愛でかためてみた。(よなよなエールは除く)
軽井沢にひどい仕打ちを受けたため、本日は予定を変更して人間味あふれる街「佐久」でステイすることに決めた。
「道の駅ヘルシーテラス佐久南」
ところがどっこいしょ、
白州で天然水を汲めるだけ汲んで夜明け前に帰りついた。
2021/5/23