「水」税。山梨県が水商売をはじめる。2022/5/9

山梨県が水を採取する事業所に「水」税を課税する方向で動いている。

日本一の天然水採取場のサントリー白州工場を狙い撃ちにしていることは間違いない。


サントリーはこれまで天然水の採取場としての環境の保全と整備に努めてきたことは地元ならずともぼくもずっと見てきた。森を守っているんだぞ。

それだけじゃない。東日本大地震のとき、ガソリンと同様被災地にまっさきに優先的に「飲料水」を支援物資として送った。

そのためおひざ元の地元のスーパーから「南アルプスの天然水」が消えてしまったほどだ。

それを山梨県として「水」は大切な資源であるといいだしてアルプスの「いにちの水」に課税するという。とりやすいところからとろうといういかにも自治体や議員が目をつけていいだしそうなことだ。

「オーク」(樫木)でできた酒樽でつくったコースター。 私の大きな事務机と同じで木目が重なりそう。

サントリーではなくほかの環境保全もなにも配慮しない業者が自然破壊やりたい放題に水を汲んだらどうなるかわかりそうなものだ。

国立公園だの指定したところで無傷ではいられない。

英国の郊外の田園風景の美しさは国土の多くが貴族の所有地だからだ。

英国のコッツウォルズのような美しい景観は日本では望むべくもないが、行政にまかせていたら開発の名のもとにこれまでのように豊かな国土が醜悪なものになっていってしまうのではないかという虞をいだいている。保全より開発に関心があるようだからね。

つまり、甲斐駒ヶ岳の自然環境の保全は行政にまかせるよりサントリーにまかせたほうがいいと思っている。いままでのところ、だけど。

それは、企業の利潤の追求という命題と自然環境の保全と整備という理念が一致しているからだ。


白州のあたりでもいつ訪れても清冽な川の護岸工事が行われているようだけど川幅から見てもほんとうに必要な工事なのかわからない。川石が白いためほんとうに美しい流れの川。それとも治水という名のもとで発注される地元の土木事業の業者の利益のため?見栄えをよくするため?

富士川が台風のあと荒れ狂うのを間近に見た。広い川幅いっぱいをたいへんな激流となって恐ろしくなるほどの勢いで川を下っていた。それならわかる。

北九州の大河である遠賀川が台風のあと上流から流された倒木が大挙して河口に殺到しているときもそうだった。


京都市のもっとも重要な仕事は「千年の都」の保全であって景観の保護にある。開発ではない。京都の景観が保護されているのは寺院・神社があるからだ。京都市に後世に残る世界遺産をつくる力量があるなら別だがそんなものはない。

京都タワーは最も醜悪な建造物だ。いくたびに思っている。どうしても上からながめたければ比叡山にいきなさい。地下鉄の整備はまさに京都にこそ向いている。

それと同じような考え方が山梨県はできないのだろうか。

「何もしない」というのは役所では仕事をしていないと受け取られるためなにかしら動こうとする。動くことと仕事をすることはまったく違う。議員たちもそう。ところが理念もビジョンもないから業者とつるんでつぎはぎだらけの小細工としかみえないちまちました環境破壊みたいなことをやる。



「飲料水」に税金かけるなら東京都水道局にも課税しなさいとまでいいたくなる。

むかしなら会社が県会議員に金を握らせ廃案にすることもしただろうがいまはそんな時代ではない。

ぼくはサントリーという会社の企業理念というか社会貢献への取り組み姿勢を評価している。

ぼくはサントリーからお金をもらうどころか、長年いっぱいいっぱい美味しいビールを購入し続けるファンだ。

サントリー白州蒸溜所(山梨県北杜市)|ウイスキー蒸溜所見学 (suntory.co.jp)


天然水の採取場とおなじ敷地にある醸造所の「白州」は最高傑作といってもいいいいシングルモルトのウィスキーだ。樽に入れて熟成させるあいだにいたずらな天使が飲んでしまうからねんねん量がへってしまう。1973年ものだとノンビンテージもののベビーサイズ180㎖で3千円ほど。700㎖で1万1千円。「山崎」とともに最高級品。プリンターのインクにくらべれば安いものだがバーで飲んだらいくらになるのだろう。

知り合いの同い年の女性は昨年ご主人を亡くし、いま郊外の広い家で一人暮らしをしている。

大きな広い家に夜ぽつんと一人でいるとこわくなるという。

そして、もともとお酒の強い彼女は寝られなくなるとウイスキーを飲んでいる。夕方になると酒が恋しくなる。

小鳥のさえずるゆたかな森を思いだしながら楽しんできた「白州」

近々、その家を売ってご主人が老後を迎えたとき便利で住みやすいようにと用意してくれていたマンションに移る予定だ。

ご主人は自分たちが高齢になったとき、子供たちが家を離れて二人だけの暮らしになったときのことまで見据えて娘の住む家の近くにマンションを購入しあらかじめ手を打ってくれていた。

用意周到なご主人の生涯設計で唯一失敗したのが自分が65歳で亡くなることだった。

いまの彼女の胸を駆け巡るのは多くはご主人との思い出であろう。

ご主人よ、お願いだからあまり彼女を自分のそばにはやくに呼ばないでね。


ビールとワインとウイスキー、ほかに焼酎は酔いかたがまるで違う(日本酒は飲まないからわからない)

ウイスキーはてっとり早く酔っ払いたいときにいい。西部劇で馬にまたがり疾走し街にやってきたカウボーイがバーのカウンターでまずワンショットで興奮を収めるというか昂った興奮を癒す。長時間の長距離ロングドライブのあとそんな気分になるときがある。いまだ興奮しているのだ。

ワインはお食事のとき料理をおいしくいただくときのためのお酒で酔うためのお酒ではない。

酔っぱらうための酒ではない。


年齢を重ね、思い出がいっぱいこころのひきだしに詰まってくると、こんどは新たにしまう思い出より古いひきだしからひっぱりだしてみる機会のほうが多くなる。

65歳をすぎたいま、備蓄した思いでだけでお酒をたのしむことができる。

新しい思い出は残念ながら若かったころのものほど色鮮やかでなく、鮮烈ではなく、忘れられないほどに刻まれるものではない。


静かに思い出に浸りたいときウィスキーはよい友となる。

というより楽しかったときやつらかったときのことを反芻するのにいいお酒だ。

心地よいもうろうとするような酔い。しみじみ友人や彼や彼女のことを、むかしのことを攪拌しまぜかえしながら飲むお酒。たいていは人との出会いにまつわること。

1日の終わりに心を許せる人とだけと飲む。ビールならしかたないがいやなやつとはぜったいに飲みたくない酒。ウイスキーはそんなお酒。

ただ、あとを引くため酔いつぶれたいときにも用いられる薬物としても用いられるから注意は必要だ。さいきんの暮らしのリズムの変化で「夜更けにしみじみ飲む」という機会がなくなり、おまけにもともと「寝られない」という悩みにまるで無縁であったことからウイスキーの出番がなくなってしまったことがさびしい。

あんまし飲みすぎるなよ、と注意しつつ。

作成者: user

還暦を迎えてますます円熟味を増す、気ままわがまま、ききわけのないおやじ

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