どうしても最寄り駅である富士見台駅よりもセブンイレブンや、ヨークマート、DAISO、BOOKOFF、ゴールドジムのある練馬高野台駅のほうに足が向く。
新駅だから(といっても平成6年の開業)駅前ロータリーが整備されお店もコンパクトにまとまっている。ATMも郵便局もドトールも、サイゼリアも、ドラッグストアも2店、セリア、バーミャン、まつや、パン屋、本屋、ピーコック。ほかにもミスドーやら持ち帰りの惣菜店やお菓子屋もあるけどそこは素通り。パチンコガイアは玉砕。
撤退した中華料理チェーンの「東秀」にあとにモスバーガーもオープンした。マクドナルドは利用しないがモスならいいかもと久しぶりに入ってみたけどワンコインセット以外はお高めだね。昼抜きだしいくこともないか。
イトーヨーカドーの創業者の伊藤さんは大学の大先輩にあたる。といっても学制改革前の戦時中の商業専門学校の時代だけど。
この自伝には伊藤さんの哲学が詰まっている。セブンイレブンの鈴木さんとの出会いは決定的だったが、アメリカのセブンイレブンを日本的なコンビに変えた土台はこの伊藤さんの「商人」哲学の上にオペレーションをさらに進化させて築かれた結果だと理解した。
あの、P・F・ドラッカーが、
「ヨーカ堂グループがセブンイレブンというフランチャイズビジネスを通じ、小売業の主流から落ちこぼれるはずだった個人商店に、商売の主流に乗る方法を提示したのは偉大な社会革命である」
と評価してくれたと伊藤社長は感激している。
「小売業の主流から落ちこぼれるはずだった個人商店」、とうに落ちこぼれてしまっている店舗は地方に無数にある。
伊藤さんの経営哲学を端的に示しているのはこのくだり。
「私は株式を上場する時から、上場によって個人財産ができるからとか、時価発行増資でただ同然にお金が手に入るいう考え方は全くありませんでした。
資本は人さまから預かった大切な『元手』であり、それを運用して利益を上げ、増やさなければならないものです。
株式を発行して得た資金は、コストの低い資金と思うのは錯覚です。
税引き後の利益から配当を支払うエクイティー(株式資本)は、経費で落ちる借金(負債)に比べ、本当はコストが高い資金なのです。」
「エクイティー」:新株発行などによる投資家による返済期限が定められていない資金の供与
投資家が求める「配当」は税引き後の配当可能資金から支払うわけだから借入金とくらべて割が合わない。
現行の税制では株式の配当は源泉分離課税を選ぶと一律に20%(20.315%)の源泉所得税が引かれておしまい。申告してもしなくてもいい。(例外あり)
ところが確定申告をする人で課税される所時の税率が15%以下(国税・ほかに地方税5%)の人たちはその分をあわせて申告する(申告分離)と差額が税額還付される。しなければひかれっぱなし。
気づかずそのままにしているひとも多い。(ToT)/~~~
ところが、15%を超えるひとたちはその分の確定申告などしない。追加で税金を支払うことになってしまうから。
たとえば、税率が最高の45%(国税)の富裕層はどうか。
とうぜん、源泉分離課税を選ぶ。
けれども本来なら45%の税率が適用されるべきひとたちなのでは?
ばりばりの富裕層優遇の制度となっている。
UNIQLOは柳井さんが株式の多くを保有しており(全株式の21%)その配当は巨額になる。
巨額の役員報酬を得たとしても大半は累進課税の最高税率でごっそりもっていかれる。
さらに法外な役員報酬をとれば、その分配当の原資が減る。
孫正義さんに次いで個人資産2兆3870億円、年収19.3億。
柳井さんが「上場によって個人財産ができる」ことを狙ってとか、「税金対策」とかで非難するするつもりはない。合法だもの。
ただ、このスタンスの違いが気にかかるのだ。
円安の進行でUNIQLOの利益は過去最高益になりそうだ。
海外で稼いだドルやユーロを日本円に交換すると黙っていてもその分手取りは多くなる。
ただし、ブラック企業といわれているUNIQLOの利益、そしてそこから吐き出される配当の原資は学生や主婦たちスタッフの汗でもたらされているわけでしょう?
ヨーカドーの組織図は
「一番上がお客様と接する営業の第一線の店舗で、社長は一番下にくる、普通の会社の組織図天地を逆さまにした格好の逆三角形の組織図です。」
なんだか商人道に徹した武骨で頑なな商人のようにみえるけれどそれがいままで淘汰されてきた大手の流通業との違いを示す。
できるだけ店舗不動産を保有せず、賃貸物件にこだわりオーナーとの共存共栄を図るビジネスモデルはセブンイレブンに引き継がれている。
しかしながら昭和57年、売上が増えているのにはじめて減益となったことを受けて、
伊藤社長は、
「われわれが気付かぬうちに世の中がかわり、大変なことが起きているのではないか?」と不吉な予感がする。