まさに好事魔多し。
ネット環境の好転のあとに訪れる試練。
出会いと別れ、よろこびとかなしみ。幸運と不幸。
わたしには2号と3号、4号もいるから不自由はしてないといっても、この子は器量も性格もよく愛嬌もあって毎日溺愛している子だからかわりにならない。
メインの最新鋭PC 。
電源をいれるとBIOS画面(ウインドウズを起動する前のパソコンの立ち上がり画面)が表示されずシャットダウンしてしまい、カウント10の前にまた立ち上がろうとするがダウンする。これをくりかえす。
原因を探る。
症状から原因を特定していく。
これはお医者さんの診断と似ている。
「おなかが痛い」と患者がやってくるとする。
いつからでどこがどのくらい痛むのか、なにか食べたか、みぞおちか、下腹部か、熱や頭痛はあるか、下痢や便通はどうか、横になってもらい腫れなどを触診する。
単純に食べすぎや食あたりのこともあろうが原因がウイルスによるものか、胃や腸の炎症なのか、あるいは膵臓などめったに音をあげることのない臓器や腎臓などの結石などによるものなのか、、、、
やぶ医者はこれまでの経験から、
「CPU」や「メモリー」が原因とは考えにくい、(ソケットなどチェックしたかぎり)
考えられるのは
1 マザーボードの不具合(パーツの不具合の発生またはショートなどによる故障)
2 電源ユニットの故障(コンデンサーの異常)
3 冷却ファンの故障この3つに絞ることにした。
本日ケースの前面の2つのファンのうち、ひとつに回転むらのような症状があったため交換した。もうひとつは固定するためのネジがゆるんでいた。
やはり定期健診は必要だ。(ケースを空けて、ですけど)
ケース内の冷却ファンは勢いよく正常に回転している。
これでズバッと解決したと喜んだのもつかのま、突然のシャットダウン。
安くすむ順に交換なりしていく。
(以前、ケースをあけてみたらCPU の冷却ファンに配線が干渉していてそのためにパソコンが異常を感知して電源のオンオフをくりかえすことがあったが、今回はそんなやさしいことではない)
3は原因から外す。
2の電源ユニットの不具合。
「電源ユニット」は日陰の子だ。「CPU」や「メモリー」はスターでありアイドルだからちやほや大事にされているのに、ぶさいくなどさまわりの演歌歌手のような立ち位置にいる。
武骨で色気も華もない。おいどんはこれでよか。
料理でいえば厨房のコンロのようになくてはならない存在でありながら、たいていパーツ選びの時にワット数を決めたら「これくらいでよくね?」で終わり。しかも場所をとって重くてやっかい。
上司のおぼえも受けもよくない。カウンターの奥で陰気にひとり黙って飲んでいる。
もし、これがいかれていたら電源が不安定になり、いくつものファンの回転に異常がでるのではないか。
その症状はでていない。
ただ、USB端子に接続したキーボードが電源供給を受けていない、これは気になる。
とりあえず、容疑者であるはあるがいったん犯人とは断定しない。
さて、いよいよ逮捕状を裁判所に請求する。
マザーボードくん、きみだ。
「統一教会マザー、ムーンだ!」
こればかりは新しいものと交換するしかない。
江戸時代の長屋のようにいろんな人たちが押しあいへしあい助け合いながら肩を寄せ合って暮らしている。
Amazonの物流センターのようにデータを制御しながら高速で受け渡す。
とてもデリケートなむきだしの裸体のパーツ。
2万円は痛いがしゃーない。
ちょうど感染爆発まっただなかで外食も飲み会もしていない。
パソコンの修理屋には意地でも頼まない。
工賃だけで何万もする。
修理代に加えてパーツ代もまるまるかかる。
もし、真犯人が電源くんだったばあい、マザームーンは釈放となり息子くんのあたらしいパソコンに組み込んで次の人生を歩んでもらうことにする。