「北海道の人は避難してください」「地下などに避難してください」と。
この道の駅には売店の店員2人と、お客はぼくだけで手持ち無沙汰の二人は仕方なく檻の中の熊のように店内をうろうろしている。
貸切だった。
気温は5度くらいだろうか。
「北海道のかたは避難を」
どこへ?どこに落ちるかもわからず、どこに避難するのか?ばかか。
もうすでにJアラートはオオカミ少年アラートと化していて「またなんかいってるわ、うるさいなまったく」ぐらいにしか思ってなくてやれやれの迷惑な警報となっている。北海道の人はすでにとうの昔から喧騒を離れて「避避している」状態だし、どこへ避難せよというのか。
幌加内は日本一の蕎麦の産地で町をあげて町ぐるみで蕎麦そばづくりに取り組んでいる。
5年ほど前にこの町のことを浅草六区のアンテナショップで知り、しばらくお取り寄せして蕎麦の「丸抜き」でご飯に混ぜて炊き込んだり、スープに入れたりしていた。500gで648円。
旭川から幌加内へ向かう山越えの道ははまもなく5月だというのにいちめん白樺の雪景色で、春を待ち焦がれる北の国の人たちに思いを重ねる。
幌加内はマイナス40度を記録した厳寒の地。なおのこと。
道の駅の人の良さげなスタッフに蕎麦の美味しいところを教えてもらう。なるべく地元の人がふだん行く店という条件をつけて。
地域交流センターの中にある店。
手打ちではなく、見ての通りおそらく乾麺を茹でたものだろう。悟られないようにこっそりため息をつく。店内に飾ってある大量のサイン入りの色紙が悲しく映る。
ともあれ、それはそれ。旭川のイオンにも幌加内蕎麦の店がある。ブランドなのだ。
この日は暴風雨でまち歩きには向かない。そもそもまち歩きには向かない町なのではないかと思い始めている。
こんなときはレンタカーは必須。残雪の残る郊外の白樺とよく手入れされた広々とした耕作地、そして色とりどりのかわいい煙突のある家々の、北の大地の冬の?景色もまたいい。幕末にドイツの皇帝ビスマルク🇩🇪がこの地を欲しがったのもわかるような気がする。
ラベンダーの季節には賑わう旭川も、旭山動物園はどうなのか知らないが寂しすぎる。
置物ではなく白樺のコースターが欲しい。
お金のかかる鉄路の整備のない飛行機がうらやましかろ。
絶滅したとはずのあの、懐かしの、