事務所を開業したての頃、練馬区のNPO法人の相談員をしていた。
そのとき相談にこられたNPOが障がいのある子たちでつくるパン屋さんがあの住みたいまちランキング上位にある大泉学園の駅前の一等地に2店舗目となるパンのお店を6月にオープンした。東映撮影所ののおひざもとだ。
福祉作業所とパン屋さんの両輪が30名のスタッフとともに回りだしている。
障がいのある我が子が自分たちがいなくなっても自活できるようNPOの代表である前田さんは同じような境遇の家族を仲間にいれて前を見て進んできた。
ひとときも目が離せない我が子とともに最初の店舗をオープンさせるときもたいへんだった。
店舗入居時の諸問題、補助金の申請、大型オーブンの購入、従業員のこと、、、みるからにやっとこさの様子で、その都度相談を受けたものの電話の向こうの前田さんはいつもいまにも泣きだしそうだった。
それが、ここまで地域の支持を得るようにまでなるとは思ってもみなかった。
おかあさんは強い。
「あきらめることのできない、やめるわけにはいかない」事業であってどんなことをしても子ども、いや同じような境遇の子供たちとその家族を守ろうと覚悟を決めた強さが根っこにある。
ぼくにはそのような強さはない。悠長なことをいってはいられないのだ。
前田さんのすごさは地域の支持を得ながら、地域のひとたちとともに活動の領域をひろげていったことだろう。
喫茶店をはじめたけど客入りが少なく赤字続きだからもうやめることにしたおっさんとはちがう。
グルテンフリーのふくしパン工房たしざん | たしざん福祉作業所 (crayonsite.net)
福祉作業所の利用者のみんなができることがひとつでも増えるようにと「たしざん」という名前にしている。