築地場外は狭くてごちゃごちゃして歩きにくくおんぼろの店舗が密集している。
小倉の旦過市場の比ではない。
清潔感もないし、立ち食いがあたりまえ。
でも、築地市場が豊洲に移転したあとも外国人にはとても人気がある。
ぼくにも愛されている。
豊洲に移転した後にも江戸の街並みを再現して、「この場外」みたいなやつをつくろうじゃないか、
浅はかなデベロッパーがいかにも考えつきそうなことだ。
いまの民放TVのプロデューサーなみ。
わざとらしい観光施設なんかにだれがいくか。
温泉まで併設したみたいだけど、だれが豊洲まで来て温泉に浸かるか。
「いったことがないやつになにがわかる!」とお叱りを受ける。
でもな、オープンしてだいぶたつようだけど、まわりで話題になったことは一度もない。
いった、という人は皆無だ。
インバウンドが好調だからテーマパークに外国人を呼び込もう。
外国人をあてこんだ観光施設に外国人は向かうもの、との読みがあたるとでも思っているのだろうか。
狭苦しくても、
不衛生でネズミが走り回ろうと、
市民生活の一部となっているところにいってみたい、そのまんまの日本を見てみたい、それが旅の醍醐味であっておもしろさだ。
週明けにひさしぶりに大阪を歩き回るつもりだけど、狙いは商店街で「あめ」をくれるヒョウ柄のおばちゃんと昼間から飲んだくれるおっちゃんにあいにいくため、ただ、それだけ。もちろん変貌著しい梅田界隈はいってみる気はしない。観光客のいないところにいきたいと西宮の友人に相談したら。「いま、大阪はどこにでも外国人がきている、なんでこんなところに、というところまでに」という。アキバとおんなしや。
お金がなんぼでもある富裕層たちのために用意した豪華な海鮮丼などあほの極みだ。
富裕層はそんなちんけな仕掛けには乗ってこないだろうし、もっと店を選んでやってくる。
ツアー客や成金にはいいかもしれないが、旅慣れた外国人は見向きもしないと思う。
観光客がぞろぞろバスに乗せられ、リベートがらみのおみやげやでおろされ、みんな一緒に同じホテルで同じ食事をする、そんなツアーはぼくは苦手だ。
あたりであろうがはずれをひこうがどっちでもいい、大した問題ではない。その町のにおいをかぎながらふらつく。
高校の修学旅行でも、途中分かれて4人ごと好きなところを回る、というのはいいと思う。
そのときの銀座の景色や道行く人の服装や顔つきなんかが当時の煙臭い九州のいなかもんの青年の目に強烈に焼き付いていて、その後「東京」を強く意識した、決定づけた瞬間だったのではないかと思っている。
唯一、イギリスのコッツウォルズをまわるときだけはツアーに参加した。
郊外の田舎をめぐるにはレンタカーを借りるしかほかに交通手段がなく、つくづく助かった。
デベロッパーよ、外国人観光客をなめんなよ!
富裕層を甘く見るな!
そのうすっぺらいねらいなんぞお見通しじゃけーの~!