さいきん、大阪がたらん。
なにか、弾けるような、わくわく感というか、エネルギーというか、おとなしくない人たち、とか。
西宮在住の学生時代の友人に2日間案内してもらうことになった。もらうことにしたのではなく、無理やり案内させられることになった。
彼は東京に毎年のようにやってくるけど、大阪素通りばかりのぼくがやってくるとあって手ぐすね引いて待っていた。
彼は転勤族で、神戸、大阪はもちろん、京都、福岡、佐世保、東京、金沢、仙台への家族ともどもの転居と単身赴任生活を過ごし、いく先々でその土地を案内してもらってきたのだ。
転居なしばかりの「転勤族」のぼくとは大変さがまったく違う。
今回の大阪行きの狙いは「商店街」で、ミナミやキタではなくこれまでの大阪行きでいったことのないあたりをうろつきたくなった。ターゲットはずばり、
「天神橋筋商店街」
めずらしく「のぞみ」の旅。
車と飛行機旅ばかりで東海道新幹線はもう15年以上乗っていない。
宿泊は「十三(じゅうそう)」。
大阪はぼくにとって特別な町でなんかありそうな予感がする。
ホテルに荷物を降ろすと、いきなり有無を言わせず「ねぎ焼」の人気店につれていかれた。
いつも行列の絶えない人気店。
あらかじめおばちゃんが外に出てきて注文をききにくる。
そして入口の左右に2組のお客を待たせ、コの字型のカウンターのお客の食事の進み具合を見計らいながら、ぼくらの注文したねぎ焼を焼き始める。
昭和40年から続く老舗でおばあちゃんが一人で食べにくる。
【店舗案内 本店】ねぎ焼やまもと 大阪 ねぎ焼発祥の店 (negiyaki-yamamoto.com)
いきなりの粉もんで面食らう。
ここで腹いっぱいにしてどないすんねん!
これから商店街にいくのに!
と思ったら、「ねぎ焼」はお好み焼きと違って、軽いペッたん焼きでもたれない。
これがまたビールに合う。
支払いは「現金のみ」。
頑なに電子マネーを拒む。
川を挟んで大阪梅田。あの阪急電車に乗って梅田とは反対方向の「淡路」で乗り換え、「天神橋筋6丁目」に向かう。
駅前の和菓子屋さん。とても有名なのだという。
「きやす」と読む。
「八州」、日本国の別名「おおやしま」のことだろうか。
お菓子はまるでだめ男(ふるっ!)
阪急電車の車体の塗装色、「阪急マルーン」。
落ち着いて味わいのある車両の塗装色。つやのある「栗色」
紫がかっているワインレッドと似ているが、このマルーンは茶色の強い赤で別名「ボルドー」とワイン由来なんだな。
東京のどの車両にもみられない「気品」。
車両に惹かれて各駅停車の旅もしてみる。
乗客の様子、身なり、顔つき、暮らしぶりを想像して眺める。
乗客のなかには、サンダル履きのややこしそうなおっちゃん、スポーツ新聞でレースの予想をしているおじさん、いかにも人懐っこそうなおしゃべりに生きているようなおばちゃんが座っていて、阪急電車であっても、環状線であっても、地下鉄であってもドアが開くと東京下町の路地風の人たちに会える。