東京オリンピックはほとんど観なかった。どうでもよかった。世界が機能不全に陥るなかで強行されたオリンピックに何の意味がある。
ただただ、菅総理大臣の開催強硬をぼそぼそしゃべる寝ぼけ顔など見たくもなかった。
開催中でさえ、仲間内で話題にも上らなかった。
のちに発覚する利権まみれ開催はその後の大阪万博とIRをもあぶりだした。
ともあれパリオリンピックは無事開催された。無事にロシア抜きで。
北口の特集をしていたTV番組での彼女の受け答えを見たとき、いっぺんでファンになった。
その飾らないひたむきな「かわいらしさ」に。26歳だけど女の子そのままだった。
やり投げは思えば「おそろしい」競技である。
戦いの、狩りの、殺戮の。
力まかせの「砲丸投げ」、怪力を競う「重量挙げ」、「フェンシング」もそうだ。男の名誉をかけた命がけの決闘。
北口はのっしのっしと助走をつけて投擲するとき、
なんと叫んでいるんだろうか?
「きえ~」「きゃぁ~」といっているように聞こえるが、ほんとうは、
「はたぼーのばかやろう~」といっている。
そのほうが力がこもって感極まり、無限の力が湧いてくる。
この子のことはぜったいに応援しようと思った。
ぼくにできることは現役時代からの部下への仕事の「丸投げ」だけだ。
もし、まわりでこの子のことをからかうようなことでもあれば、サーベルで刺す。
もうひとりもし、彼女のことを悪く言うやつがいたら巴投げで一本取ってやる。
早田ひな。
彼女は小娘のころ、地元の小倉の旦過市場で火事があった時、幼いころから買い物をしにきた市場の焼失からの復興を願って大会の優勝賞金(100万円だったか)を
そっくりそのまま市場の組合に寄付したのだ。
以前、ぼくらじじいの百万円と若いひなちゃんの100万円とはまったく異なると投稿したことがある。
おしゃれもしたい、旅行もしたい、ほしいものもたくさんあるだろう、そんな年頃の子が自分の力で手にしたお金をお世話になったとお金を寄付する。できることじゃない。
もうひとり、女子の部でいくと、角田夏実さん。
なんで「さん」づけかというと「怖いから」だ。
ひとたび競技がはじまるとインタビューの時の笑顔とはまったく違う顔になる。
わかりやすくいうと、「本田翼」が「高倉健」に豹変する。虎変し、獅子変する。
ネットでどなたか書き込みしていたけど、「スナイパー(狙撃手)」のようだったと。
ぼくが見たときデビューしたてのころの「岩崎宏美」が目がまじになって睨みつけたような、まさにいまライオンが獲物に襲いかかるような眼をしていた。
いぜん、柔道部だった先輩が試合には「いつも殺しにいくつもりで臨んだ」と真顔でいっていた。
ほんとのことなんだろうと思った。
一対一の競技のなかでも柔道のような競技はほかにないのかもしれない。
レスリングも似ているけど堂々とした組み合いではなくどこかくねくねしている。
礼節という点でフランスで大人気となっている。
もし、角田夏実さんになにかあったら、裏から手を伸ばしお金で解決してあげる( ´艸`)