アパート・マンション経営を始めようとしている資産家にネガティブなアドバイスをするべきかどうか迷っている。
このごろいろんなことを思う。
イオン
イオンのテナントに入れてよかったね、すごいね、厳しい審査をパスして、
ほんとだろうか。そうだろうか。
高額な家賃、専用レジを購入させられ売上は100%管理され、自分の店でありながら日々の売上金の入金は家賃のほかもろもろの管理費などを引かれて翌月以降となる。
店舗の工事はイオンが指定した業者でなくては使えない。当然割高な工事費。
それでも巨大な駐車場つきの華やかなモールにみんなが集まり、賑わっている。
家族連れや若者、お年寄りは満足して、買い物を楽しみ、ゆったり過ごす。
でも、業者にとってもよければそれでいいとは思う。三方よしだから。
ところが、大手企業以外の業者にとってはそうとは思えない。
死なない程度に生き血を吸われ続けている、としか見えない。
一括借り上げのサブリースもそうだと思っている。
安心を与えるかのような「家賃保証」のうたい文句。
最高裁が「サブリースは通常の賃貸借契約である」と判断したものだから、「借地借家法」でサブリース会社が入居者として保護されるお墨付きを得た。
まず、契約で業者から提示される「家賃」だけど近隣の家賃相場を調べ上げたうえで、最低の相場の8割から9割の水準の価格となっている。
だから、募集すると新築であることもあってすぐにうまる。大家は安心する。
問題は建物の経年劣化と周辺環境の変化によって家賃を下げなくては入居してもらえなくなったとき、業者は家賃の減額を要求する。
それでは借入金の返済に支障がでるため困ると大家は主張する。
それなら契約を解除したいと業者に伝えるが、業者は拒否する。
業者である借家人を追い出すためには「正当な理由」が必要となるが、まず認められるケースはまれでやむなくその家賃を受け入れることになる。
業者は数十年にわたり「生き血を吸い続ける」ために簡単には解約には応じようとしないし、契約時に「解約」事項すら定めのないこともある。
「家賃保証」はこの金額での家賃の支払いを保証します、なんて一言もいっていない。そもそも借りているのなら家賃を支払うことはあたりまえのこと。
さらに、契約条項の中に「修繕」や「工事」のさいには業者の息のかかった指定工務店を使うことが定められ、当然のことながらイオンと同様、相場とはおよそかけはなれた工事費が請求される。さらに業者は空室によるリスクを建築時の利益であらかじめ確保して担保しているため損失の補填はすでにおりこんである。つまり、建築の段階でその分の利益を上乗せしたかなり割高な物件となっている。
以前新築の「大東建託」に2年間住んでいた。
まず、棚に本を置いたらさっそく棚がはずれて傾いた。
そして、夏場にエアコンをつけたら水がぽたぽたおちてきた。
修理業者は「排水パイプのほうがエアコンより上についていて、ばかでもわかる素人のような仕事をしている」とあきれていた。
オーナーさん、これがサブリース業者の実態です。小倉の物件の岩本さんという大家さんが気の毒になった。
つまり、オーナーによるマンション経営とはいうものの身動きが取れないようがっちり固められている。
いま、レオパレス物件を所有していると銀行融資がうけられなかったり、いろんなひずみが生じている。
「生き血を吸う」ビジネスはコンビニも同じなのかもしれない。
では、おそらくは契約上は同様の内容となっている業界大手の積水ハウスのシャーメゾンや大和ハウス、ヘーベルハウスなどの優良企業のサブリースつきの良質な物件建築の良否についてどうアドバイスすべきか悩んでいる。
街の不動産屋さんだのみの入居者の管理が大家さんにできるのかどうか疑問だからだ。