いくつもの温泉やぐらからもうもうと立ち上る源泉の湯気は別府のようでもある。源泉は100度で伊豆のほかの温泉とは泉質が違うようでいまさらだけど「美人の湯」ということだ。
大型の旅館やホテルが主流で「団体旅行」が盛んだったころはさぞ賑わったことだろう。
おりしも滞在した日の夜が「熱川まつり」の当日で、花火の打ち上げと12トンの石を応募した250人の人たちが50メートル引っ張るという行事が催された。
江戸城築城のさいに「伊豆石」が船で運ばれ石垣に多用されたことに因む。
江戸城のある日比谷が外様大名によって埋め立てる前には入江だったことから陸揚げできたわけだけど、石垣づくりにどれだけの数の人工が徴用されたのだろうか。
熱川もご多分に漏れず一部のホテルが廃墟となっているが、熱海などと違って商店街もなく「わりと高級なホテル内滞在完結型」で純粋に温泉と食事を楽しむ観光地となっている。だから景観もよく喧騒も猥雑さとも無縁で好ましい。
ハリウッドの「SHOGUN」がエミー賞を受賞して話題になっている。
1980年版の「将軍」にくらべてスケールも脚本もハリウッドでなくては制作できないと思わせるのに十分な出来だった。
ただ、リーフデ号が日本に漂着してくるシーンからはじまるのだけど拿捕されたのが大分の「臼杵」ではなく熱海のちょい下の「網代」だったことに面食らった。それはないやろ。
いずれにしても伊豆と大阪と関ケ原が舞台となっていて例によって訪日外国人が「網代」目指してやってくるのではないかと心配している。
半分店じまいした、くたびれた干物屋さんが国道135号線沿いに並んでいるだけの寒村だから。
もっとも最初に訪れた48年前の網代は干物のお土産屋さんが家族総出で道行く車(東京方面を走る帰りの車)に手を振り客引きをしてイカやアジの干物を並べた店先とともにそれはそれは伊豆の旅を飾る壮観な景色だった。
なかには腰の曲がった高齢のじじばばに手を振らせて同情を誘う戦術をとっているのではないかと思わせるような店もあって演出・脚本賞を与えたいくらいだった。
2024年版の「SHOGUN」は真田さんのおかげでハリウッドにありがちなへんなアジア系なんちゃって日本人が登場しないこと、白人と日本人女性との恋愛仕立てを絡ませなかったこと、そして通詞の「まりこさま」の通訳が「超訳」となっていて、その場を読んで按針がしゃべった言語をそのまま伝えたほうがいいのかどうかを瞬時に判断して短い言葉にアレンジして通訳する才覚にいたく感心した。これくらいやれる総理大臣がいたらなぁ。
石破さんでよかった。落選してふてくされる子供じみた高市だったら政治の混乱と中国との関係悪化は間違いなし、偏差値40の進次郎は論外でこの先タレントとしてお茶の間で可愛がられる道への転身をすすめる。
岸田さんの功績は新NISAの導入と国際舞台で通用するきれいな英語。
ただ、財政規律重視の石破さんはあろうことか「法人税率をあげる」とかいいだした。
国際社会の流れをまったく理解していない。できるわけがない。