これまで以上に足しげく通うようになった。
ScanSnapのせいだ。
閉店が相次ぐブックオフに危機感を抱いている。
いまのうちにどげんかせんといかん、と思っている。
全国各地のブックオフをのぞいて歩くしかない。
練馬高野台店の棚はだいたいおさえて、新入荷したらすぐにわかるようになった。
220円の本であれば罪悪感なくギロチンできる。
家の書棚の定価で購入した本は雑誌であろうと、処刑に似た罪悪感を伴う。
蔵書として迎い入れることになった本への思いや千円札を切るようなつらさを覚える。
練馬高野台店にはどうしたわけか歌舞伎や能の関係の、しかも関係者として版元から贈呈された汚れのない、読んだ形跡のない美品なんかが220円で並んでいる。
取り寄せたり、書店で購入したばかりのものは裁断しない。
「世阿弥」は72歳のときに佐渡に流罪となった。
散歩も自由であったとはいえ寒さも荒波も身にこたえたことだろう。
幼少期の名は「鬼夜叉」
「鬼」は人の心の醜さを現すが「夜叉」は男でも女でもない中性的な含みを持っているとのこと。
次は近松門左衛門の「俊寛」
平家打倒のクーデターにかかわったとして俊寛も「喜界ヶ島」に流罪となる。
「喜界ヶ島に鬼はなく鬼は都にありけるぞや」
の名文句も楽しみに。