カラオケからは逃げ回っていた。怖いもんはあんましないが、マイクだけは回ってくるのを怖れて死んだふりをしていた。
ただ、この曲だけは歌いたい。しまいまで歌い上げたい。
それほど名曲。
車の中に誰もいないことを、安全地帯であることを確認したうえでぼくは陽水となり、浩二となる。
こないだの熱川行きではだみ声が車中にひびきわたった。
ネットで歌詞をダウンロードして、そして暗記して、二番と三番がごちゃまぜになりながら、暑かった夏の終わりの思いを、恋の終わりの予感をこの曲に乗せて熱唱した。
そしたらくさ、
夜明け前に「LINE MUSIC」をいじって、マイプレイリストをつくっていたら、
なんと、
左下の引用マークをタップしたら「歌詞」がでてきて、
さらに「カラオケ」をいじると、
場末のスナックよかきちんと歌詞をなぞってくれる機能がついていることにたまげた。
すごくないですか?
若い子たちはみんな知っていることだとは思うけどぼくはじいじだし、まわりの友人はもっとどうしようもない底辺をさまようIT弱者たちがほとんど。
先日、いっこ上の友人の自宅兼事務所の落成祝いに京王線笹塚駅で待ち合わせた。
すると、友人は手を挙げて笑いながらあろうことかチャック全開のままこっちへ向かってきた。
すかさずぼくは、この人は知り合いではありません、と他人を装った。
こんなひとたちと過ごす歳になってもうた。
カラオケと通常再生は「カラオケ」に触れるだけで切り替わる。
SOFTBANKがiPhone16に機種変したときのおまけにLINEMUSIC6か月無料をつけてくれなかったら、まずアプリを購入しなかった。
これで、車中はジャイアンの独演会間違いなし。