たまたまこの番組が目に入った。
デヴィ夫人が校長を務めるバラエティー番組「チャンス学校チェンジ科」。
ウェブサイトの「一晩で1億売り上げる娘がいる」、の見出しについくいついてしまった。
校長からしてひとめで「おばか番組」であることがわかる。
銀座のクラブのホステスとちがってキャバクラに知性はいらない。
客は知性ではなくきれいではあるけれどねじのゆるんだ「おばか」を求めてやってくる。
かつて池袋の安キャバクラの「初回荒らし部」をふざけて結成したこともあった。
開店直後で客のいない時間帯の、「初回の方にかぎり三千円」特典を狙って系列店を制覇していった。
おばか部は部長のぼくと部員3名ではあったけれど、仕事帰りに高級感のない場末の池袋の夜におばかお嬢とふざけた。
当時、失われた30年のまっただなかの不景気で、昼はOLしながらのかけもちキャバお嬢もいて、ついつい身の上相談みたいになってしまうこともあった。
部の規約では「ぜったいに延長しない」ことでいくらせがまれてもすけべ心を振り払って店をでるという鉄則があった。
部員のひとりは「おきゃくさん、あなたこの店はじめて?みたことがある。」とばれそうになったこともある。
口が半開きの、このなかでは自分がいちばんかわゆいと信じているおバカお嬢が番組に集結している。
そして、目がくぎ付けになる。
ロックオンとはこのことをいう。ぎーろっぽんのクラブの「みな」ちゃん。
現役の立教大生。
まわりのおばかお嬢は「みな」ちゃんをひきたてるためにだけ存在している。
おばかなサラリーマンはこの子に吸い寄せられ貢ぐ。
誕生日には一日で売り上げ一億を超えた。
清楚さ、儚げさ、気品、静かなものごし、語り口、目元、口元、こんな美しい子見たことがない。
これまで過ごした小学生、中学生、高校、大学、職場でいっしょだった女の子たちがまとめてかかってきても敵わない。
どこの出身かわからけれど、春日部でも、下北半島でも、北九州小倉でもどこでもいい。
「どげんかせんといかん」とか「なんばいいおっとか」とかのお国訛りがでようがどうでもよか。
あざとくても、前科があろうとも、親がやくざの組長であろうと守ってあげたい。
スマホの待ち受け画面にしてクリスマスを迎えようとしていたら、間違ってデヴィ夫人にしてしまった!
ただ、なんでこの子、おばか業界にはいってしまったの?
〇〇〇がよくねえんじゃね。
フツーのOLになるくらいならちやほやされながらこっちで手っ取り早く稼ごうということか。
バカ騒ぎする自信家のみえっぱりな実業家とくっつかないように祈るが、着実にそちらの方向へと向かっている。
たいていの人はどんな人と付き合うかによって顔つきもかわってしまう。
まずは清楚さから失われていく。