「人間の脳は、一種のパターン・レコグニション・アルゴリズムである。つまり、パターンを識別して認識するようにできている。過去の情報の積み重ねのなかからパターンを認識し、何か事態に直面した時、過去のパターンを探しに行って、これはいける、これは危ないというメッセージを潜在意識に送っているのだ。」(エミンさん)
「直観」といわれる特性はこれは持って生まれたものではなく、情報量の蓄積によるものが、つまり、後天的に身につくものだ、という。
このひと、トルコ人のくせに突然日本にやってきて野村証券の機関投資家向けの仕事に従事して、あの「会社四季報」を15年間にわたり3千社のデータに目を通し、この「直観」を磨いてきた。
ぼくはこの人を教祖様と崇拝しているわけではなくて、その分析についてぼくもそう思うというスタンスでいるだけだ。「追認」なのかもしれない。
YouTubeではまもなく大暴落するとか不安をあおって再生回数を稼ぎたいだけのあまっちょろい予想屋がいいたいこといっている。
特殊詐欺などでだまされる高齢者たちはこの情報量の積み重ねの少なさからくる「レコグニション」が弱いのではないか。
いろんな世界の人と接して、情報を吸収して、本を漁り、各地を旅したり、あれやこれやの失敗して、きょうの自分はきのうと違う、動けば動くほど躓く、みたいな暮らしかたがいいな。
南小倉の「資さん」でたむろしているデビル雅美ふうのヤンキーネキたちにでくわしたとする。ぼくは直感でこのネキたちとかかわらないほうがいい、と目を合わさないようにする。
かつてぼこぼこにされたわけでもないし、偏見もうらみもないつもりだが、そんなふうに「直観」がみがかれてきた。
かあちゃんはそんな風体の女性たちを見たこともないためにその「直観」が磨かれてないから、よせというのにまるで化け物をみるようにながめている。
エミンさんは株式投資には「直観」が必要でそれは膨大な情報量のインプットと経験則の積み重ねが必要だと説く。
機関投資家へのアドバイザーはたとえば「エヌビディア」の株を勧め、株価が3倍になったときに売却を提案したとする。
その後株価は上昇を続け10倍になった。
するとそんなアドバイザーは「解雇」されることになるという、そんな世界に身を置いていた。
(レコグニションは、「認識」「承認」を意味する言葉で、人事用語として使われる際は「企業が従業員の活躍を賞賛・承認する仕組み」を意味します。)
いい言葉なんだね。