
読みたい本が山積み、これぞ課題山積。

「平家物語」「吾妻鏡」など読み進めていくうちに鎌倉や真鶴、伊豆への思いに、景色に色がついた。屏風絵の絵具?で彩色された気分でいる。

それは仏像に向けられるまなざしにも影響する。
仏像は「見るもの」ではなく「拝むもの」であることさえこの歳になるまで気づきもしなかった。
仏像に込められた思い、祈り、よくもまぁ上っ面だけで生きてきたものだ、と思う。
この、平安初期の「竹取物語」、じつは序文によれば、
「ほんとうのかぐや姫は、近づく求婚者たちに難題を出して破滅に追いやる冷酷な女」とのことで「天上界で罪を犯し、そのつぐないのために人間界に降りてきた」という。
難題の1 仏の御石の鉢 挑戦者・石作の皇子
→ 盗品の鉢がばれて大恥をかかされる
難題の2 蓬莱の玉の枝 挑戦者・庫持の皇子
→ にせものをつくり、暴露され蒸発
難題の3 火鼠の皮衣 挑戦者・右大臣阿部御主人
→ かぐや姫に燃えない証拠を示せと迫られ、燃え上がるにせの不燃の皮衣
難題の4 竜の首の珠 挑戦者・大納言大伴御行
→ 竜を捕獲しようと荒れる海にのりだすもぼろぼろになって漂着
難題の5 燕の子安貝 挑戦者・中納言石上麻呂足
→ 貝をつかんだ中納言の籠とともに墜落し、燕の糞を握りしめて気絶
チャレンジャーに無理難題をふっかけては求婚者をいたぶる非情の魔性の女。
それもこれもあまりに美しいゆえのこと。
さいきん、「毒女」とか「魔性の女」に引き寄せられているようだ。
きまってどちらも「美人」とのことだからぼくのまわりの生活圏では縁がなさそう。

それじゃ、子供たちに読ませたらだめじゃん!
読んでしまって、「求婚者を破滅に追いやる冷酷な女」になってしまった女もいるだろう。
さいきん、婚活運営会社のYouTubuをよく見ている。
「わたし35歳独身女、見た目、上の下、年収300万、お相手は20代、身長175センチ以上、年収1000万円以上、長男以外」とか条件をつけて婚活しているおばちゃんがいて、それをぶったぎる運営サイトのおねえさまのお説教ぶりが楽しくて。
この童話版の本はあの「星新一」さんが訳している。
どんなふうに訳しているか読んでみたいものだ。おそらく原典とはかけはなれていることだろう。
若いころに月刊文芸誌の星新一さんの「ショートショート」のコーナーに作品を投稿して入選したことがあった。
SF短編ものの神様だった。
同じ時期、ほかに週刊朝日の川柳コーナーでこれまたあの、選者だった井上ひさしさまに畏れおおくも講評までいただいたことがある。投稿すれば選ばれる、そんな時期があった。
ともあれ、この悪女ぶりをのぞいてみることにしよう。