
「源氏物語」読みだした。
途中からいいようのない違和感を感じて、読むのをやめてしまった。
宮廷の貴人たちの日常が延々と綴られる物語。
このひとたちは毎日毎日帝の寵愛だの、女官の嫉妬のなかで、手に汗して働いたことのないひとたちがすべったころんだ大騒ぎしながら暮らしている。
「宮廷物語」として読むのならよかろう。
ただ、ぼくがいま読むべき本としてどうかと疑念をもった。
そこで、いま話題の、いまさらブレイクしている小説を読むことにした。
あのわたしが生まれた昭和31年に文壇デビューした有吉佐和子さんが昭和51年に文芸春秋に発表した13話の連作集。
青い壺をめぐる、それを転々と手にした人々の人生を描く。
そして、
自分にとってはいいニュースとなったのが、
YouTubuで「北京の55日」が観れるようになったこと。
アマゾンで買えるのだけど6千円もだしたくなかった。
中国が列強にいいように蚕食されるなか「義和団」が反乱をおこし、日本をふくめた列強が軍隊をだして55日かけて鎮圧する史実を再現した大作がきれいな画質で。
軍隊をだすたびに、だしてもらうたびに西太合は列強に巨額の賠償金を要求され、ますます中国が弱体化していく。
「中国人をめざめさせてはいけない」とアメリカの騎兵隊の将官が象徴的にのべるシーンがあった。
中世には世界のGDP の4割を占めていたとされる中国は、長い苦難を経ていま「目覚めて」しまった、
中国に工場を移して、中国を世界の工場にしてしまった日本やアメリカが「目覚めさせてしまった」と思っている。
貧しいまま暮らしてくれていたはずの人民の多くが車を持つまでになって、観光客が世界中にあふれるこれから彼らはどうふるまうのだろうか。
20年まえに訪れた上海や北京はもうすっかり姿を変えていることだろう。
