
吉祥寺から井之頭公園を抜けるもよし、三鷹からの玉川上水沿いの散歩道を歩くもよし、おすすめは圧倒的に三鷹からだな。散歩道の周辺は田園調布や成城学園の見るからに豪邸とは違って、ごく普通の平均的な住宅がならんでいるけどどこかどの家も整然とこぎれいでこの上水通りとなじんでおり、住みたいまちランキング上位の常連となっているのがよくわかる。
この日は葉桜の並木の続くなか、いたるところでつつじが満開でそれぞれがわたしを、あたいを、おいらを?見て、と派手な衣装で競っている。

なにより、井之頭公園の緑、池、9面もあるテニスコート、競技場など、静かで豊かな住環境はなににも代えがたい。うらやましい。
吉祥寺といえばいつも飲み屋さんで、がちゃがちゃざわざわ、人をかき分け、長年うろついていただけだった。
とはいえ子供たちが幼いころは公園のなかにある小さな動物園と遊園地に通ったものだ。
幼児子供向け専門のやさしくおだやかな遊具ばかりで、ほほえましく眺めていた。
自宅からは裏道を走れば時間もかからず、スーパーの駐車場に車を停めて、散策したあとは、「いせや」という人気の老舗の焼鳥屋の二階の座敷でビールを飲んでくつろいで、帰りの運転をかあちゃんにまかせた。
まかせたといってもこの車は大人向けのスリリングな遊具といってもよく、家に帰るころには酔いもすっかりさめることになった。
中央線沿いは阿佐ヶ谷といい、高円寺といい、荻窪といい個性的な街だらけで飽きない。

さて、今回は三鷹市民の友人にお願いしてジブリの森美術館のチケットをかんたんに予約してもらった。
「市民枠」だとよ。
うちの近くに「ハリーポッタースタジオ」があって、自転車でもいけるのだけれど、一度もいったことがない。いくつもりもない。まわりにはいったことがあるという人もいない。「区民枠」などなく、いつでも入館できるのでは?しらんけど。
彼女はもう当然のようにリピーターで、あれこれこの美術館にまつわる事柄をガイドしてもらった。
この日のゲストは子供連れのフランス人の家族がとくに目立った。(フランス語が飛び交っていた)
ジブリのエキゾチックなファンタジーの世界が彼らを引き付けるのかわざわざ極東の島国までやってきて、パパやママが猫バスに乗ったり登ったりして遊ぶ子供たちを笑顔で眺めている。



撮影禁止の館内で、印象的だったのはアニメ制作の作業場のコーナーだった。
山積みされた資料、書きなぐった原稿、絵コンテ、セル画、ペン、塗料、そして缶ピースと吸い殻の山がまるで命を削る命がけの「戦場」のようだった。
きっと労働基準法の無法地帯で、スタッフもそれを承知でペンを走らせ。
近くに山本有三の記念館もある。
武蔵野の雑木林がそのまま残っている。
宅地化される以前はもっともっと自然が豊かだったろうな。
