台風18号の暴風雨のさなかに小倉リバーウォークのTジョイにでかけた。「ダンケルク」を見るために。60歳を過ぎるといつでも1,100円で鑑賞できるのが嬉しい。しかもリバーウォークまでは車で10分程度でいけて、おまけに駐車場も3時間無料ときたもんだ。さらにしかも、いついっても観客がぱらぱらで貸し切り状態。先月見た「ハクソーリッジ」(信仰に従い武器を手にすることを拒否し、負傷した仲間の救出に戦場での存在意義を得た米兵の沖縄戦を描いた実話がベースになっている)は平日の朝の上映ということもあるが、観客は私ひとりだった。気兼ねすることなく座席に社長すわりで、足を大きく組み、偉そうにして貸し切り映画館を堪能できた。東京では一生ありえない体験をさせてもらいました。
主人公の体験をもとに前田高地の激戦がリアルに描かれていると感じた。
ところが、今回見た「ダンケルク」は史実に基づいて製作された、とあるが違和感を禁じえなかった部分があって後味の悪いものとなった。暴風雨の中、今回も観客は日曜日でありながら4人だけ。
舞台はは昭和15年5月26日から6月4日にかけて行われたナチスドイツに追い詰められ包囲された英仏軍40万人のイギリス本土への救出作戦で、「撤退」がテーマとなっていることから常々栄光と勝利を扱うところの戦争映画とは異なり華やかさとは無縁である。
しかしながら、ナチスが怒涛の進撃を続け、フランスが降伏する目前にイギリス軍が撤収完遂に向け孤軍奮戦するさまはよく描かれていると感心した。特に英軍スピットファイアーとドイツ空軍メッサーシュミットとの空戦のシーンは見ごたえがあった。
ところが、燃料がなくなるのを覚悟でハインケル爆撃機を攻撃したスピットファイアのプロペラが燃料切れで止まり、そのままグライダーのようにしばらく姿勢を保ったまま海岸を滑空し、無事車輪をだして無傷で着陸するシーンにとても違和感を覚えた。ありえない。所詮映画は娯楽だ。楽しめ、感動できればいい、となろうが史実に基づいて、となら話は別だ。第二次世界大戦おたくの私ならずとも首をひねった人もすくなからずいたであろう。さらに、燃料切れで着陸しながら、ドイツ軍に機体を渡さないために「無傷」で着陸したパイロットが機体に火を放ち燃やす。燃料からっぽなのに、メラメラ燃え上がる機体、、、
さらに、英軍は撤収のために不足する艦船を補おうと民間の漁船を徴用する。その中の一隻、というか一艇に乗り込んだ3人のイギリス人のうちの一人の青年が、Uボートに撃沈された英軍の撤収船の生き残りを救助したばかりに暴行を受けデッキから落ち頭を打って死んでしまう。このシーンは必要なのか、意味があるのかどうか。
もう、戦争を描いたシーンにいちいち反応してしまう。
①「キングコング最新作(髑髏島の巨神)」
冒頭のシーン。1945年南太平洋との表記。髑髏島の上空でP51ムスタングが空中戦の末撃墜され、パイロットがパラシュートで降りてくる。そして続けて被弾したゼロ戦も墜落し落下傘で搭乗員が降下、二人は銃撃し、揉み合うことになる。違和感のわけ。
ゼロ戦が旧式の21型、しかも塗装が太平洋戦争初期に活躍したころの灰白色のまま。当時は52型が主流で濃緑色塗装が一般的。ましてP51マスタングは第二次世界大戦最優秀機で技量の違いはあるとしてもとてもゼロ戦21型が撃墜できる戦闘機ではない。さらに、1945年の戦争末期、惨敗となったマリアナ沖航空戦の(1944年6月)ののち、そもそも南太平洋島嶼でムスタングとゼロ戦21型で「空戦」が行われたのか、という疑問が残る。
②「パシフィック・ウォー(重巡インディアナポリス号の最後)」
これも灰白色塗装のゼロ戦21型が編隊で急降下しインディアナポリスを攻撃するシーン。ゼロ戦すべてが体当たりをするかのような描かれ方をしている。ゼロの編隊はそろって「増槽」をつけたまま急降下体当たりを敢行。編隊で急降下し増槽をつけたまま体当たりなどありえない。「250キロ爆弾(爆装)」で敵艦の砲撃銃撃を避けるためそれぞれ分散しあらゆる角度から突っ込む、という攻撃をするはずだ。
いちいち気になって仕方ないわ。流せばいいのだろうけど後味が悪かぁ!
悠々自適(湯々爺的)な毎日をお過ごしのようで誠に羨ましい限りです。
いつの間にこちらの映画館はそんな事になっていたのかと、そちらの方に驚いてしまいました。
私も近々ドリームを観に行こうかと思っているのですが、一人だと怖い。
まあ、もう何も怖がる年でもないのでしょうが…
向こうが怖がって避けてくれる。
hataboから言われる前に自分で言います。