7年ぶりの大雪の金沢

退職記念にもらった旅行券で北陸平日ひとり旅。金沢香林坊に東急リゾートの施設もあったのでこれまで何度も訪れ、最近では6年前、8年前と金沢、能登にしばらく滞在していたので格別目新しい目的はないのだけれど今回は冬の雪の城下町金沢を見たくて選んだ。ちょうど大荒れの雪の直後で、まだ雪かきが間に合わない様子だった。

近江町市場の近くのホテルリソルトリニティという、ほんと覚えづらい名前のホテルにチェックインして、さっそく市場を散策。途中、滑って転ぶ人に何人も遭遇する。雪には慣れているはずだけどすってんころりんしている。

市場は日曜日とあって、観光客だらけで特にアジア人が目立つ。市場内の回転寿司屋には行列ができており、いやな予感がした。あれから北陸新幹線が開通して東京からのアクセスが格段に良くなったこと、おりからの訪日ブームで大挙してやってきて金沢が賑わうことになったので、市場ももはや地元の人たちの台所ではなくなって観光客相手の観光スポットでしかなくなっているのではとなかばはじめからあきらめてはいたのだけれど。

蟹の🦀値段がおそろしくあがっている。もともと安いものではないけれど、もう我々が口にするものではないほどの値上がり。地元で揚がるズワイガニの小ぶりのやつでも一杯6千円だ、8千円の値札がついている。隣で並んでいたうなぎの蒲焼3500円が安く思えたほどだ。おめあては外れた脚だけのパック詰め。蟹専門店の片隅でひっそりと売られているやつ。それが、もうない。

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林坊のデパート「大和」の食品売り場で6年前の年末3杯1,000円だったのが金沢駅のスーパーで1杯1200円もしていた。もっとも香箱蟹の漁期は12月までで、時期もあるにはあるけれど。目には楽しい市場ではあっても買い物したくない市場ではもうそこは市民の台所でもなく市場ではなく観光施設。かくて、5年ぶりの金沢は「市場」という面ではかつての面影もなくなっていたが、城下町の風情のある街並みはそのままで雪道を踏みしめながら散策するのはとても気持ちがいい。雪景色に飢えていたのだ。九州で過ごしていたこともあるのだろう。大雪のあとはきまってあの風もなくひんやりやさしい空気に包まれる。まるで、雪が昨日まで降り続いてごめんなさい、するかのように。

教訓として旅は過去と今を重ね合わせてはいけない、過去といまは違うもの、ということ。「旅」と「人生」を置き換えてもいい。かつて、25歳の時に訪れた東ドイツやチェコスロバキアでは、ビールの大ジョッキ、いまどきの可愛らしい大ジョッキではなく、1リットル入るようなずっしり重たい本格派のビールがビアホールで50円ほどで飲めて狂喜したものだが、もう、そんなビール天国などなくなっていることだろう。

兼六園の池も氷結している。

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町のおしゃれなショップ街を抜けると天狗👺ブランドのハムソーセージの中田屋本店にでる。練馬谷原の業者向けの食品卸「ヤスノ」ではここの商品を中心に置いており、大手メーカーにない頑固職人らしい味にいつしかファンになってしまっていたので表敬訪問する。

ひがし茶屋街も味わいがある。こないだおおぜいできたとき、ワインの店で盛り上がった。

ひとり旅のよさは、やはり気ままさかな。大勢ででかけると、それはそれで楽しいのだがあそこにいかねばならない、ここにも寄りたい、お昼はここでと忙しく、せわしない。お札もらい巡りに明け暮れるようで。いつも、ぼーっとしているが、もっとぼーっとしたい時もある。無職となったいまでも時間や日常から解放されたいという思いがどこかにある。

2018.1.16 時化で漁に出られない日が続いたからだろうか、今朝の市場は蟹であふれていた。値段もだいぶ安くなっているような。

金沢駅の北口。整然とした区画にいつのまにビルができたんだ。できた頃の新横浜駅を思い出させる。

やはり、松江と同じような文化を感じる。それもそのはず明治11年の人口ランキングでは金沢はなんと日本で5位の大都市だった。

祝いの蒲鉾。これは蒲鉾です。売店のおねえさん、改めおばちゃんの話だと自分のお嫁入りの時に出されたとか自慢げ。

のどぐろの唐揚げとお寿司で仕上げて、東京に帰る。これは金沢駅の2階の回転寿司のランチメニュー。1296円の握りセットでお得。これでじゅうぶん。

学生時代4人で能登でキャンプしていらい、能登に魅せられた。九十九湾で潜ってサザエをとって、バーベキューしたり、青春の思い出。

夜更けにとなりの⛺️カップルのテントから、夜な夜ないろんな声が聞こえて寝られなくなったりしたもんだから、4人の小隊みなで匍匐前進してテントの様子、ことのなりゆきを偵察しに行ったりした。はじめてレンジャー部隊になったような気分だった。

 6年前、金沢支店の支店長をしていた上司に案内してもらったときに、この味噌鍋の素に世話になったとしみじみ紹介してもらった「まつや」の「とり野菜みそ」。いまでは東京にも販路を広げていて、あちこちで見かけるようになった。単身赴任の2年間たいそうお世話になったらしい。ボスは野菜をたっぷりとれるとご満悦ではあったが、赴任中金沢のお酒が美味しすぎて、急性膵臓炎で入院した!金沢も食の魔都です。

作成者: user

還暦を迎えてますます円熟味を増す、気ままわがまま、ききわけのないおやじ

1 Comments

  1. 退職を機にあちらこちら旅行をしたいと思っています。
    本当はhataboの様に宿泊先も決めずにブラッと旅をしたいのですが…

    ここは私の旅のバイブルでもあります。

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