ご近所に新築分譲戸建て”限定3邸”が堂々完成した。
妻の知り合いの○○さんのうちを取り壊し、3棟が出来上がった。もとは1軒の家だった。だから、「堂々と」完成したわけではない。
妻が生まれた60年以上前のこのあたりはまだまだ畑が残り、妻も例にもれず丈夫が取り柄の練馬大根としてこの地に生まれた。敷地も50坪以上の家があたりまえだった。昭和30年代から農地をつぶした急速な宅地化がはじまり、敷地を½にして分譲するようになった。それがいまでは3軒に分ける時代となった。
出来上がりはてっきり敷地の広さからして母屋と戸建賃貸の2棟になるものと思っていた。ご近所のこの分譲住宅は73坪の敷地に3棟建設するとこうなる、あぜんとするような、こうなってしまうという姿を示す私たちにとっての本当の実物のモデルハウスとなった。
大手のモデルハウスはざっと1棟1億円の建築費をかけており、家を求めるしろうと家族の目をくらますようにできている。むろん契約したお客さんたちでその建築費用を仲良く負担することになる。
いいかげんこんな「集蛾灯」「ごきぶりホイホイ」方式のビジネスモデルは考え直すべきではないか、というのが建て替えを検討しながら思ったことだ。
大手はピラミッド型の高コスト体質の企業で巨額の経営資金を稼ぎ出すために常に同じく高コスト体質の、着飾った家を不断に売りまくらなくてはならない。でないと会社が持たない。そのため、お客の求めよりまず契約をとろうと値引きと称し、あらかじめ設定しておいた価格帯にセールストークでシナリオ通り誘導する。おやじはシナリオを描かれるよりシナリオを描くほうが好きだ。だから私にも誘導させてくれ!
注文住宅の場合、1棟ごとの原価計算があって、外注工事費のほかの営業経費、セールスマンの現地視察費、測量費などをが積み上げ計算され、それぞれの利益率が計算される。
値引き率は施主との交渉で決まるわけだから言い値で制約できることもあれば、顧客の中には値引きをきびしく要求するタフネゴシエーターも存在する。
営業所は四半期の営業損益でそれらをひっくるめて基準となる営業成績をあげればいいわけで、「はたぼー家」ででた法外の値引きはいいなりだったお金持ちの地主のBさん邸での利益でカバーすればいい、それより3月までになにはさておき1件の成約が欲しい、となる。大手になるほど件数欲しさが利益に優先することもあろう。
若かろうがベテランだろうが大手の営業マンに課されたノルマはきっと過酷なものだろう。ジェット機のように燃料をばらまき、宣伝費や営業費をつぎ込みながら飛び続け、ひたすら売り続けなければならない。でないとかつての〇×△ホームや△▢工務店のようにたちまち失速する。
どんなにお宅のことを思い、寄り添い、努力しているか時にわが社の工法の優れている点を滔々と説明し、ある時はキーマンである奥様を狙い、脇から汗と笑顔で情に訴える。
「ご建築を検討されている方々の集い、夕べを開催しますからいらっしゃいませんか?」という。いまだにそんな手法で契約を絡めとろうとするあざとい魂胆が気に入らない。私たちにはそのメーカーへの信頼より軽侮につながる。安っぽい営業に映る。こんな費用を私は負担したくない。
そして、ひとたび契約さえとってしまえば次にモデルルームにやってきた新たなしろうと家族に狙いを定める。それはどの業界であれ営業の宿命というべきものでいたしかたないのだが。
最初に応対したセールスマンがその顧客を担当することになるしきたりだ。セールスマンの印象や、信頼感がキーワードとなるのが「家づくり」という商品なのかもしれない。
人生最大の買い物のひとつである「家」の購入にさいしてはセールスマンの全人格が試される。人格は研修や年齢や経験の積み重ねだけではとうてい得られるものではないし小細工は通用しない。
だから、新人のセールスマンにいつのまにか心をつかまれていたりする。企業の幹部採用担当者は学歴や成績はもちろん、あるいは体力やさらには根性さえ無縁なそんな若い「原石」をどう見つけるかにかかっている。
販売価格はA棟 4880万円、B棟5380万円、C棟が5180万円とある。
B棟,4LDKをのぞいてみよう。敷地面積24.4坪。
5.2畳、畳は「J」と表記するらしい。が2室、4.5Jが1室、そして、3J。
3畳のすきまスペースを部屋に含めるのか!ROOMとしてカウントするのか?納戸ではないのか?
地方に住んでおられる方々ならずとも目を疑う。
5.2Jにはクローゼットが付いているため実質6Jということになる。
我が家の土地を土地を共有している甥は2棟分割案に対して図らずも「2棟にしたくない、1棟で小さくてもいいからバンドの演奏のために東京にきたときに泊まれる部屋と、いままでと同様の家賃収入の一部をいただければいい。」と言い残して福島に帰っていった。
我が家の周りは、まっすぐ伸びる道路の拡張計画とあいまって住宅の建築ラッシュである。拡幅予定の道路に面した土地の容積率などの建築制限は緩く個性的な景観になっている。この邪魔で見苦しい電柱がなくなると思うと嬉しいね。石神井公園の光和小学校の前の道路のようにすっきりするのではないか。
相続税の基礎控除の引き下げ、つまり増税が東京の住宅の景色をかえている気がする。相続税の対象となる土地評価を下げるために「貸家貸付地」(一定の面積まで評価が50%減、事業用であれば80%減)にするためか狭小住宅があちこちにできている。
立ち退き対象になったところはいっせいにセットバックして新築中で〇△▢ホームや△▢〇林業などの大手ののぼりが競うように立っている。
このような残念なペンシルハウスを目の当たりにして、「2棟化」計画はとりさげ、とりやめにする。
自宅敷地は区道に面しており、4M道路とするためにセットバックが必要で、練馬区に一部の土地を寄付することになった。区分登記、分筆費用、外構工事などの関連費用は練馬区が負担する。区役所土木部土地整理係に申請しにいく。
2019.1.25
練馬区役所20階からは富士山も望める。
としまえん、よくいったな。
若いころは西武線でもうらぶれた池袋駅を発着駅とする「西武池袋線」ではなく整然とした住宅地の杉並や中野区経由、新宿歌舞伎町に直結の「西武新宿線」沿線にあこがれた。外国人のたまり場の歌舞伎町はもはや近寄るところではない。
ところが地下鉄2路線が開業、延伸し西武池袋線と直結するに及んで風向きがかわった。高架化や都心への地下鉄乗り入れ、さらには東急東横線との直通運転で新宿、渋谷、東京の下町や横浜中華街まで乗り換えなしでいけるようになった。そしてさらに石神井公園や大泉学園の再開発で駅周辺が明るくおしゃれな郊外の町に変貌した。(正確には単身赴任していた5年間に変貌していた)
「西武新宿線」はいまだに高架化が進まず、開かずの踏切だらけ、なにより新宿歌舞伎町を終点とすることで乗り換えなしの直通運転ができず自らを縛ったといえる。
町並みは果てしなく、延々とひろがる。そこにひしめく人々。庭はおろか、納屋のような4LDKの「部屋」で窮屈に暮らす。しかも、5千万円もする分譲住宅に。
少しづつ進んでいますね。
でも3軒共建坪が24坪もない。一部屋一部屋が狭すぎるでしょう。
いや〜、都会って大変ですね。最低限にしても荷物はあるでしょう。
皆さん、どうしてるのかしら?
はたぼー家のこの先の進展を楽しみにしています。
立って寝るしかありませんね!