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江戸情緒が残る谷根千をを巡る~TCG研修


東京シティーボランティアガイド研修7月例会は14日に浅草地区とならんで人気のエリアである「谷根千」(やねせん)~谷中、根津、千駄木~を3時間半の行程で行われた。

集合場所のJR西日暮里駅改札前には5班にわかれた会員70数名が集結し、改札口を占拠、あたりの人々はただならぬ異様な光景に目を丸くしていた。

香港で刺激を受けた中高年の「暴動」、あるいは「大人の遠足」と間違えた人もいたかもしれない。参議院議員選挙を控え「年金制度改悪反対」デモならそのままプラカードもって歩きだせばいい雰囲気だ。


しかし、そんな香港の暴動でも、お気楽な遠足でもなくボランティアガイドとしての実践研修で、とくに新入りはリーダーのもとに集められ容赦のない指導が行われた。現役とリタイヤ組の境界線上にいる新人ではあるがみなひとしく真剣だった。雨の中メモを取り一言も聞き逃さないよう耳を傾ける。


西日暮里駅から道灌山に登る。江戸時代からの眺めのいい名所。傘をさして、リーダーの前に集まるとさっそく容赦のない注意がとぶ。

「傘をさしたければ一番後ろにまわること!前にいる人は傘はささない!」

傘は透明なビニール傘が望ましい。

「神社仏閣の境内に入るときは脱帽し一礼すること。本人の思想信条は問わない。やってください!」

観光客のようなだらだらぞろぞろ歩きではなくみな移動がすばやい。

「諏訪神社」ではなく「諏神社」。そのわけを諏訪神社の歴史からひもとく。


谷中霊園に眠る政財界、画家などの著名人たち。その人たちの知識が必要。たんに「だれのお墓です」ではなく、その経歴やエピソードを交えて説明する。なんだか、「ブラタモリ」ふう。


横山大観の墓の前ではすかさずどんな絵を描いたか、写真を掲げる。そして作風のほかどこに所蔵されているかまで付け加える。

歴史にのめりこんでいるおっさんや、自分より詳しい歴女を相手にお話しするのだからたいへん。「そんなの知ってるよ」と軽くあしらわれたらおしまい。だから、事前の準備と地理、歴史、風俗、暮らし、絵画、政治、宗教、建物の構造に至るまで引き出しにつめておいて説明しなくてはならない。


加藤リーダーは「徳川慶喜」と「勝海舟」あたりに魂をとられた人で何時間でも語れる、という。徳川慶喜を快く思っていない私にいわれたのかと思ったのは「鳥羽伏見の戦い」で船で逃げていったことについて、あのとき逃げずに戦っていたらフランスとイギリスを巻き込んだ国を二分する戦いになっていたであろう、聡明だった慶喜の先見性である、とのくだり。

とくに幕末から明治にかけて歴史が動いた舞台となったこのエリアは史跡の宝庫。


徳川慶喜の墓。正室、側室の墓。説明する際にはA4のクリアーファイルに写真を用意しておく。それも若い時とのと晩年のときのと。

もちろん慶喜が水戸の出であること、当時の攘夷思想を受けていることなどを添える。


江戸時代以前に創建された寺院は多くなく、室町時代にここにあった屋敷に立ち寄った日蓮上人が自分の像を刻んだことから、それが奉納されて寺院「天王寺」となったものだ。(日蓮宗から天台宗にかわった歴史をもつ)

この寺では「江戸三富」のひとつで「富くじ」(宝くじ)興業が開催された。1両(いまの10万円に相当する)で購入したものが100倍の100両になったという)

もちろん日蓮が安房の国出身であることからここへ立ち寄った、日蓮宗の戒律の厳しさ、将軍家とのかかわりなどの説明も加える。「厳しい」というだけではなくどう厳しいのか、伝えなくては意味がない。


「五重塔」と幸田露伴、そして昭和32年7月の放火心中事件での焼失、放火したのはどういう人か、そこまで入っていく。48歳の男性と21歳の女性。洋裁店に勤めており金の「指ぬき」で身元がわかった。

戦前甘味処の店主が植えた「鉢植えのヒマラヤ杉」が90年たってこんな大木になってしまったというやれやれな史跡。


江戸時代から続く酒屋。ここで「角打」したい、、、

有名な「谷中銀座」ではおいしいメンチカツの店の味と値段の違いのまで教えてくれる念の入れよう。

それにしても欧米系の外国人の多いこと。お店の英語表記は当たり前になっている。浅草を卒業した人たちがやってくるらしい。

わたしはといえば東京在住41年ではじめて訪れたエリアであった、、、


ほかに「江戸の埋め立て」「江戸時代の川、治水」「あかじ坂」「旅館澤の屋」「へび道」「大円寺」「岡倉天心」「山岡鉄舟」といったキーワードを交え3時間半延々とガイドしてもらった。もちろん実際にガイドする場面では「簡略に」「手短」に1ヶ所3分以内での立ち話が基本となるわけだけれど、今回は研修生のためのガイダンスとして丁寧な説明となった。


教訓

①ちょっと知っている、よくご存知ですね、くらいの知識ではまったく役に立たない、ガイドを名乗るのであれば「幅広く、深く、たてよこななめの知識」が必要である。

②「自分の得意分野に引きずり込む」絵が好きなら絵の世界に、建築なら建物の世界に、風俗なら風俗に、幕末なら幕末、それぞれの切り口で絞ってガイドするのがいいかもしれない。あれやこれや専門外の知識ではこころもとない。

③いまのままだとガイドは無理かもしれん、、、


「夕焼けだんだん」

別名「夕焼けにゃんにゃん」といって猫がトレードマーク、イメージキャラクターとなっているが猫を一匹も見かけなかったのが心残り。

2019.7.14

作成者: user

還暦を迎えてますます円熟味を増す、気ままわがまま、ききわけのないおやじ

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