JR山手線新大久保駅をでてすぐのマツモトキヨシをまがるとそこはもうイスラム横丁で、なかでも一番目立つのがこのスパイスやハラルフードの「GREEN NASCO」。
隣は激安の八百屋で中国産のにんにくがネットにこれでもかと詰めてぱんぱんになったやつが900円ほど。
大阪ミナミ、動物園前の超激安スーパー「玉出」も真っ青な、とにかく「安く」売ることに命を懸けている八百屋に違いないとその気迫にしり込みする。
NASCOはインド人の経営だろうか、ターバン姿のいい歳のひげのおやっさんが瞑想がちにレジに立っている。
アジア、アフリカの食材を扱っているかたわらでマスクが山積みされていて日によって値段がかわるのか値札は手書きだ。今日はひと箱399円(税込み)、1枚8円。
輸出を制限していた中国産のマスクが大量に出回ったことで値は暴落している、というよりこれまでが異常だっただけでもとに戻ったということだろうか。
新大久保駅の北のほうは韓国ゾーンで韓流スターの写真やグッズの店がふえたような気がした。もう数十年前とくらべるとではあるが。
駅の南、新大久保駅とJR総武線「大久保」駅に挟まれたあたりは、もうアジア、アラビア、何でもありの多国籍の店が長屋のように肩を寄せ合って集まり、日本語がまず聞こえてこない雑然とした異空間だ。
田園調布や二子玉川のマダムたちは一生涯足を踏み入れないゾーンであろう。もったいない。
日本で暮らすアジアやイスラムやアフリカの人たちにとって大久保は母国を感じることのできる、なつかしく、やさしく、おいしく、ほっとするところなんだろう。
スナックの店で店頭に行列のできている店もある。スパイスのにおいにたじろぐ私には行列ができる理由、どこがどう違うかまずわからないと思う。
先月12月の仕事帰りの北千住の商店街ではマスクがひと箱50枚が195円だった。1枚4円。だめもとで試しにひとつ持ち帰ったけれど問題ないようだった。
転売してひともうけしようと企んでいた業者が時機を逸して売り抜けに失敗したことから輸入が遅れたせいだと輸入業者を監禁した事件もあった。監禁投げ売り流出マスクではないかと疑った。
感染が拡大し、たまりかねた小池知事が総理に働きかけ今週にも「緊急事態宣言」を発出する。