ルネサンス練馬高野台閉店 2021.5

2000年にオープンした練馬高野台店

ルネサンスが引き継ぐ前のスポーツクラブ「トリム」からの会員であった。トリムは1994年に西武池袋線高架化にあわせて開業した新駅とともにオープンしたからおいらは最古参の会員である。

トリムは日本たばこ産業のグループ企業でたばこは吸ってほしいがジムを通じて健康増進にも努めていただきたいらしかった。平和運動をする軍需産業みたいなカメレオン企業だったが平和産業の方に参加した。


「諸般の事情により閉店」とあるが、コロナの影響を受けたのは間違いない。コロナは高野台駅からパチンコ「ガイア」と中華料理店「TOSHU」を閉店にし、さらに大手居酒屋をも追い詰めようとしている。

ルネサンスはもともとおいらの家の近隣に4店舗もあったのだからコロナといわず過剰であった。

しかもこの高野台店は高級住宅街を擁する隣駅の石神井公園店や、巨大な団地群の一角にあるホテル内の光が丘店とは客層が違い、会員の大半が「おたっしゃくらぶ」の高齢者で日々そのたまり場となっていて、仕事帰りでたまにしかこれないウエアの似合う若者たちが主役ではなかった。毎回トレーニングにいくのかおばあさんを見に行くんだかわからん状態だった。とにかく元気でおしゃべりいのちで姦し(かしまし)かった。

だから、経営者としては企業収益や採算という面で月極定額料金の食べ放題バイキング会場のように常連さんで混雑して新規会員の獲得が難しいこの店はコロナならずとも行く末について思うことがあったに違いない。

いま高齢者は元気であっても病院通いを日課とするかスポーツクラブに通うかの2極化している。長いこと通っているとあの方はこのごろ姿をおみかけしないがどうしているだろうと心配になることがあった。わたしも5年間の単身生活のさいはそう思われていたことだろう。


閉店がとつぜん伝えられたとき、ただでさえコロナへの恐怖と不安におののくお達者会員はざわつき不穏な空気が流れた。他店舗への移籍か退職のふたつにひとつの選択肢しかなかった。

ルネサンスの閉店をきっかけに政府のワクチン接種の遅れに抗議する住民蜂起まで発展するかもしれなかった。新宿駅を焼き討ちしたこともある団塊の世代も多かったから火をつけるのはお手の物のはずだった。

昔取った杵柄で経営者との団交の要求や駅前での街宣行動まで発展するかもしれなかった。

事件が勃発すれば練馬高野台騒擾事件としてワクチン接種の練馬方式とならび称せられるかもしれない。

社交場だった。地域に大切な社交場だった。おしゃべりして、サウナに入り、夕食の買い物をして、うだうだしているおとうの食事を整え。


ひとり冷静だったのはおやじだった。

その秘密は「全国会員」だったからで高野台店はメインの店舗であったけれど、徒歩圏内には2店舗、車でもいける1店舗を利用でき高野台店が閉店したとしても放火も蜂起する必要もなかった。北九州では小倉店、大分では大分店、京都では京都店を使い分けていた。


石原さとみが結婚を発表したとき多くの方たちが、いや日本中がそうであったように落ち込んでしばらく口もききたくなく立ち直れなかった。でも、「石原さとみが結婚してもまだ私たちには新垣結衣がいる」というネットでの書き込みに救われた。とつぜんの高野台の閉店はそんな気分だった。

口に表情があるふしぎな女優。笑ったときの口もとが魅力で池上季実子の再来だと確信した。
地下鉄丸ノ内線の車内広告で東京の街を紹介していた動画を口を開けてその口もとをしあわせにながめていたあの日、、、

星野源はかわりもんだけどいいやつだからうらみはないけれどまだ心の整理がつかないでいる。リングフィットアドベンチャーを購入しようかと思っていたがトレーニングのたびに思いだしてしまうから「購入は差し控える」ことにした。

もとヤンの清純派を装う女優が多いなか、このパステル調の透明感とさわやかさは貴重だ。

閉店をまえにロッカーからシューズやお風呂セットを持ち帰りにいった。

他の施設に「転籍する」ひとたちがたくさん手続きをしていた。希望退職や子会社への出向を思い起こさせる。

ロッカーキーの返却はお世話になった目元の美しいスタッフが受けてくれた。直接Hさんにお礼がいえてよかった。

なつかしい思いがよみがえる。この気分はなんだ?20年使ったスタジオ、ロッカーとの別れはそう、卒業式のあとの、ともだちや先生や校舎とのお別れの時の気分と似ていた。

中学卒業の時いっこ下の女の子から教室に呼ばれたことも思いだす。バレンタインデーもそうだけどこんな時はたいてい本人から直接ではなくその親友たちが伝えにきた。

ふしぎなもので赤い顔をしてむにゃむにゃ寝ぼけていた本人よりも使命を帯びて学級委員のようにしっかりした感じのその子たちの顔のほうを覚えている。ぱしりメッセンジャーが派遣された。コロナのワクチンもはじめてのメッセンジャー型ワクチンらしい。

ユーミンの卒業ソング「最後の春休み」のフレーズそのままに。

https://www.youtube.com/watch?v=lexKy6o-dIE

YouTubeのこの曲へのコメントに

「60歳の男ですが、この曲を聴くと18歳の女の子になります。」ときもいJK60歳が書きこんでいた。

2021/5/24

作成者: user

還暦を迎えてますます円熟味を増す、気ままわがまま、ききわけのないおやじ

2 Comments

  1. ルナ練高が無くなって、寂しいです。
    ロッカーの荷物を取りに行ったあの日、暗い廊下でから
    最後の春休みが、確かに流れていました!

    1. コメントありがとうございます!
      たしかに練高は卒業しましたがいまは光が丘に入学して新たな毎日を過ごしています^_^

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