庭師 はたぼー 島利根理子さんを生き埋めに

梅雨入りを待って鉢植えを庭に植え替える。

シマトネリコ。自己主張の強くない控えめな観葉植物でそこそこ大きく育つがころあいを見て枝を切ってもいい。日本女性のようなたおやかな木であることがおやじのこころをつかんだ。


この日のために用意していたレンガは八ヶ岳北杜市長坂のJマートで、敷石はスコップとともにおととい千葉館山のカインズホームで購入したもの。

このところカインズホームびいきだ。伊豆伊東店も超巨大店で圧倒された。品ぞろえの豊富さとセンスのよさ、加えて接客。ふつうのホームセンターなのにモスグリーンのおねえさんたちはロフトなみの対応をする。


ところが、この鉢植えから木を引き抜く作業が困難を極めた。ぱつぱつに根が植木鉢にはりついていて抜けない。

この木は島利根理子さんという女性かもしれない。いやがる女性を無理に連れて行こうとしているのかもしれない。

さて、ちょうどよい穴を掘った。

しまいには横になって両足を鉢にかけて渾身の力で引き抜こうとするがびくともしない。


そこで、おじいさんはおにいさんを呼んだ。

おにいさんがおじいさんをつかみ、引っ張ったがぬけない。

そこでおにいさんが孫を呼び、

孫がおにいさんを、

おにいさんがおじいさんを引っ張ったがそれでも木は抜けない。


そこで、孫は猫のポリーを呼んだ。

ポリーは孫にかみつき、

孫はおにいさんをはがいじめにし、

おにいさんはおじいさんをヘッドロックして、

みんなで力をあわせて引っ張った。

そしたらおじいさんの失神寸前に、

木は植木鉢からようやくするりと抜けた。


さて、ちょうどいい穴も掘ったし植えるとするか。

ふと、おとうに悪魔が降臨した。


待てよ、このごろ遊びほーけているRがいまここにいる。ミッションもどこ吹く風だ。

島利根理子を生き埋めにするかRにするか迷った。御覧の通りサイズもほぼ同じだったことで魔がさしたのだった。


おばあさんはいつものようにかけごえだけの「@言うだけ番長」だった。「鉢を割れば」とまでいいだす練馬のもとヤンのスケバンだった。

だからもう一か所今度はやはりテンションのあがった「魔がさすころあいをみて」ショベルカーで大きめな穴を掘るつもりだ。


以前仕事でやくざだとわかった取引先との話が脳裏をよぎった。そのやくざはひとことでも気に食わないことを言われると瞬間湯沸かし器になるであろうただならぬ目をしていた。

その人たちはあることをきっかけに会社を乗っ取ろうとして、二代目の社長(たいていぼんぼんでわきが甘くぽわーんとしていることが多い)を外房九十九里の海岸に首だけ出して生き埋めにした。


しだいに潮が満ちてきて、太平洋の黒潮の波が徐々に首を洗いはじめる。そして二代目の助けてくれという悲鳴、、、

印鑑と預金通帳をとりあげ、やくざは回収した売掛金の全部を引き出しそのやくざたちはとんずらした。会社の預金口座をみて唖然とした。


ふたりいっしょは無理だった。島利根理子植樹祭。「痛い思いさせてごめん」とさすってやる。まわりに五色のやわらかい印象の丸石を敷いてみた。

今月3才になるRはもっぱらウルトラ怪獣の世界に入り浸りだった。65ピースのウルトラマンジグソーパズルはさくさく完成させていて、それではと105ピースに一気にレベルアップさせた。

さすがにむずい、、、

Rが舌をレロレロさせはじめ、手におえんとこころが折れそうになったそのとき、あちこちから魔の手がのびる。この子はもはやウルトラ戦士として育てる以外にない。


そこで目を付けたのが「R」の改良型「R-1」ヨーグルトすなわち1才になったばかりの「K」

予防注射では全身をのけぞらせて看護婦に必死に抵抗し、「力の強い子だわ」と驚かせた。レジスタンスとして見込みがある。

2021/6/12

作成者: user

還暦を迎えてますます円熟味を増す、気ままわがまま、ききわけのないおやじ

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