同じ64GのiPhone 11であれば49,680円、iPhone 12miniなら69,120円、iPhone 12で82,800円。
うちのかあちゃんの「ITリテラシー」は低く、携帯ショップにとってすなおで従順ないいお客さんである。
その餌食にならないよう用心棒としてついていって話をきいてきた。視察の意味もある。
端末の買いかえは一般的に4年契約で2年経過したときに買いかえると残債は支払わなくてよいことになっている。
これはお客に「お得」と思わせるが新たに高額な端末を購入させることで店側にとってもがっぽり利益を得る「がっちりマンデーなお得」な取引である。
残債免除をエサにお客は「お得」な気分にさせられただけである。
用心棒は店員に赤子の手をひねられないよう「低価格端末(SE)」と「5G以下の通信料契約」で買いかえることを高齢者の赤子にいい含めておいた。
「iPhone SEで十分」というと若い店員は「人気の機種で店に在庫がありません」という。ほんとだろうが「その手できたか、高額機種を勧めるつもりだ」と思ってしまった。
驚いたのは機種変更の時に必須となる「データの移行」が従来無料でやってくれていたのが有料になっていてなんと「7,000円」だという。
わざと椅子からずり落ちてみせる。
「赤子の手をひねるよりかんたん」な携帯のデータ移行。
IT弱者の弱みにつけこみそこまでやるかと思った。
高度な知識や技能を提供する、あるいは汗をかく作業ならいいが、こんな些末な些細なことで7,000円を請求するなど人道上やってはいけない商売だと思った。
わたしのまわりの高齢者(とくに女性)は学歴に関係なくたいていパソコン、インターネットに無知であって業者のいわれるがままである。
みなさんメールやLINE、FACEBOOK、ワード・エクセルなんかのツールはそこそこ使いこなしているがシステム上の不具合やリカバリーとなるとお手上げだ。
ショップはそんな高齢者を食い物にしている。裏返せば総務省の指導で携帯ショップをとりまく環境もきびしくなっていることを示している。
ITリテラシーはもともとアメリカの「識字テスト」からきている。
「Literacy」(識字能力)
転じてITを使いこなす能力。
アメリカがまだ若いときに移民制限で利用した差別的な「識字テスト」
「リテラシーテストと投票権
コネチカットなどの一部の州では、1800年代半ばに識字テストを使用して、アイルランドの移民が投票できないようにしましたが、南部の州では、1890年の再建後まで識字テストを使用しませんでした。連邦政府の認可を受けて、これらのテストは1960年代。彼らは、表面上は有権者の読み書き能力をテストするために与えられましたが、実際には、黒人のアメリカ人、時には貧しい白人の有権者を差別するように設計されていました。当時、白人の8%から18%と比較して、黒人の40%から60%は文盲であったため、これらのテストは人種に大きな影響を及ぼしました。
南部の州も他の基準を課しましたが、それらはすべてテスト管理者によって任意に設定されました。財産を所有している人、または投票することができた祖父がいる人が好まれました(「既得権条項」)。「性格の良い人」と人頭税を払った人。これらの不可能な基準のため、1896年にルイジアナ州で登録された130,334人の黒人有権者のうち、8年後に州の新しい規則に合格できたのはわずか1%でした。 」
greelane.com「米国の歴史における識字能力テスト、人種、移民」より
19世紀末新移民やアジアからの移民たちを制限するための「識字法」が1917年に成立した。
アメリカの移民排除は既得権を得たプロテスタント系白人が移民たちから自分たちの生活を守ろうとするいまも流れている本音である。
識字差別はIT弱者への差別となっていまにつながる。
2021/8/30