このSAのすごいところは店舗を入れ替えつねにリニューアルしていること。やるきまんまんな飲食店がやるきまんまんで営業しはじめる。
中学の先輩は黒崎で焼き鳥やをはじめた。学生の頃開店したてにいってみたがおいしかった。やる気と笑顔がそこにあった。
しばらくすると、大将はテレビを見ながら焼くようになった。
開店したころのあの情熱というか新鮮な思いが薄れて惰性に流れたせいなのか店を閉めた。
ここで閉店した店舗は人気がないから撤退した、という感じはしない。人気店であってもあえて入れ替えることでいつも新鮮なSAにしようという戦略ではないか。
いい店でもかならず飽きがくる。目新しさやわくわく感、どきどき感を客はいつも求めていて、経営者はそこを外すとたちまち閑古鳥が鳴く。
駅前の一等地にありながら客のほしいものをつかみきれず不振となった百貨店。不振となる理由が百貨店というビジネスモデルそのものにあることに気が付かずちまちました改装をくり返し、従業員の賞与をカットして生き残りを図り延命しようとする。無印良品やイケア、ニトリが入ったほうがずっと人は集まるのにと思う。
伊豆半島の山々を望むことができ、沼津までくるとただいま、帰ってきたよという気分になる。
九州から松江に向かう特急列車「まつかぜ」の車窓から宍道湖が目の前にひろがってきたときのように。小学生だった夏休みにおじいちゃんやいとこたちが待つ松江に向かうときのように。
伊豆と八ヶ岳があることでどんなにぼくの人生が味わい深くなったことか。
焼津、清水、沼津と名だたる漁港を擁するここいらはまぐろ、あじ、しらす、さくらえびが売りで、富士山丼だのただごとではない山盛りどんぶりでこれでもかと攻めてくる。ざんねんな別府のかたきをとりたい。
静岡に生まれたかったと思ったことが何度もある。二十歳ころから思い続けている。もっとも豆州、駿東地区限定だけど。スキューバしてカヤックして鰺のたたきとおいしいお茶で暮らす。別荘や一軒家を借りることもまじめに検討した。
ただ、ラードの搾りかすを使う富士宮焼きそばや駄菓子屋発祥の静岡(しぞーか)おでん、藤枝の朝ラーメンなどのB級グルメで人気の町は薄給の女工、工員の町でもあって静岡は必ずしも豊かではなかったようだ。
ヘドロ怪獣「ヘドラ」を生んだ富士市の製紙工場の田子の浦廃液公害も汚点である。
リニアがまた静岡を壊しやしないか心配している。
それでも霊峰富士をこれだけ独り占めしている県はほかにない。
2022年を飾る年賀状の写真はもちろん朝の富士山。
XmasにはZOOM講習の講師を務める。2時間のパワーポイントの準備もできた。ほかの仕事もいくつか終えた。
ウルトラ戦士の「R」はますます銀河系のあらぬ方向へと向かっている。
いいお正月を迎えたい。