「そよ風の誘惑」?どこが!2022/3/8

歌詞の意味もわからず、ただただうっとりしながら繰り返し聞いていた「そよ風の誘惑」

オリビアの動画シリーズ編集中に気がついてしまった。


和訳を見てぶったまげた。

MAJICTRAIN ミュージックブログより」

There was a time when I was
in a hurry as you are.
I was like you.
There was a day when I just
had to tell my point of view.
I was like you.
Now I don’t mean to make you frown.
No, I just want you to slow down.

 Have you never been mellow?
Have you never tried
to find a comfort from inside you?
Have you never been happy
just to hear your song?
Have you never let someone else
be strong?

「あなたは今までにくつろいだことあったかしら?
あなたは今までにやってみたことがあるかしら
あなた自身の中から安らぎを見つけようと?
あなたは今までに幸せだったかしら
ただ自分の歌を聞いて?
あなたは今までに誰かにしてあげたことがあるかしら
力づけたことが?
」「MAJICTRAIN 訳より抜粋」


そよ風はなにも誘惑してない。

「そ」の字もでてこない。

だれも「誘惑」してない。

曲のタイトルは「Have you never been mellow?」(1975)

mellowは「優しく心地よい気分」

心地よい気分になったことないの?


「Have you never been~」はいうまでもなく「あなたいちども~だったことないの?」

everではなくneverだから、ないでしょうね、やろうとしなかったでしょうね、という意味も込めて。

くりかえしこのフレーズで自分に問いかける歌詞。ほんとにそれでいいのとたたみかけて責めるくらいの。


いそがしさに追われて自分を見失ってない?

自分のことばかりで他の人たちのことを力づけたり大切にすることを忘れてない?


そう意訳した。

いまの自分を見つめて、それでいいの?と問いかける内容だ。

直訳すれば「心地よい気分になったことないの?きっとないでしょうね。」

「だからゆっくりしてほしいの、ほかの人のことを元気づけられるくらいに。」

こんななかんじか。これじゃタイトルにならずレコード会社のはげ親父社長にだめだしをくらうのは間違いない。


で、タイトル決めの担当者がどうしたかといえば、

適当なタイトルがみつけられずにやけのやんぱち、詩の内容はおいといてオリビアの清楚さと天使の歌声のイメージだけを前面にだす裏ワザバックドロップ作戦にでた。追い詰められたあげくちゃぶ台返しの禁じ手に手を染めたといってもよい。


「草原」「なぎさ」「バルコニー」「サンゴ礁」「瞳」「ダイアモンド」「メモリー」「青い椰子の島」「小麦色」「マーメイド」「ひなげし」「みつめて」などの女子アイドル路線の曲に好んで使われる単語をちりばめる作戦だ。パーツを組み合わせるだけだからそんな精神状態に至ったときこの薬に手を出す。


場末のカラオケスナックで歌われる演歌路線にでてくる「みれん」「あなたひとすじ」「まちぶせ」「熱燗」「津軽海峡」「天城越え」「さだめ」「大阪でうまれた女やさかい」「女ごころの未練でしょうか」「ホテルで会ってホテルで別れ」「折れたたばこの吸い殻で」「わたしばかよね、おばかさんよね」「ぴんから兄弟」「おでん」「ちょうちん」などのしめり気の多い単語はアイドル路線には間違っても使ってはいけない。


作詞家松本隆は松田聖子に「渚のバルコニー」で「ばーかね、呼んでもむだよ、水着もってない」のところの「ばかね」というせりふをつかって歌わせていいものかそーとー苦悶したと語っている。ひとつまちがえばという言葉の魔力を怖れたのだ。


いまでもこんなタイトルにしてしまったことを担当者は後悔し悶々としていることだろう。

おかげで47年間、ぼくはジュリーアンドリュースと手をつないでザルツブルク郊外のそよ風のわたる緑の草原を駆け抜けるイメージでひたすら聴き続けてきた。

どないしてくれる!

投稿者:

user

還暦を迎えてますます円熟味を増す、気ままわがまま、ききわけのないおやじ

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