このあたりは練馬区と中野区、そして豊島区の区境にあってここは豊島区。
駅の南にまっすぐ「東長崎銀座商店街」がのびていていまでも昭和のノスタルジックなお店が残っている。
奥に引き込まれそうなおもちゃの巣窟。
信用金庫が似合うまち。
創業はいつごろだろう。
池袋や目白も近く、昭和中期に一気に郊外の宅地化が進んだころのにわかにできた商店街ではなく、ずっしりとした歴史の重みを感じる商店街。
あの手塚治虫さんたちの「トキワ荘」もこのあたり。
商店街のいちばん奥まったところにある昭和44年創業の「鰻屋」さん。
わが事務所のスタッフと家族をご招待して、ひさしぶりのうなぎを味わうことにした。
蕎麦と、うなぎと、お寿司は東京にかぎると思う。
甘ったるいのがだめだからだろうか。
まともなうなぎやは注文してから最低40分は待たされる。そのあいだに「骨せんべい」をぽりぽりかじりながらふだんお話しすることのない奥さんとおしゃべりする。
気さくで飾らない気持ちのいい人だった。
ここの骨せんべいはこれまででいちばん。
豊富な湧水で名高い三島のうなぎもいい。いちばんという人も多い。ぼくもそう思う。
富士山の伏流水をたっぷり飲ませてくさみを抜いてから捌く。
「桜屋」
ここ「鰻屋」のは口にべたべたまとわりつく脂がない。
ただ、おコメがいまひとつで、うちで炊いた北九州米「夢つくし」を持ち込めばよかったとまじめに思った。
ただ、そんなことをいいだそうものなら、この大将の嵐寛寿郎は怒り出す。
近所に住む本田宗一郎が長年ひいきにした店。
この店でも流水でたっぷり水を飲ませる。
それを入り口で「見える化」している。
これから迎える繁忙期に向けてスタッフとその家族の健康を祈る。