鹿児島 「河内源一郎商店」2024/4/11

防音壁が目障りな九州新幹線は車窓の景色を楽しむ気がしない。ネットのつながりも悪い旧型の車両で快適な旅とはいいがたいが、博多から鹿児島まで1時間ちょいでついてしまうのだからぶつぶついわずにがまんしよう。

鹿児島中央駅は7年ぶりで前回は出張で観光ではなかった。とはいえ天文館に泊まってきびなごの刺身をおかわりしたりや黒豚のとんかつがおいしかった。


レンタカー屋さん向かう途中にちょっとした「市場」があって、つい寄り道する。

飲食店の方たちだろうか、仕入れにやってきてたくさん買い付けていた。

「ヤリイカ」と「きびなご」にロックオン。きびなごは思いのほか安い。

なんと「ハエ」がぶんぶん元気に飛び回っていた。

幼いころの魚屋の、裸電球とはえとり紙が天井からいくつも吊るしてあった景色と重なる。

店の数こそわずかではあるけれど、パワフルな沖縄の牧志公設市場を思わせる活気がある。

うわっ、と叫んだのは、

そら豆!ひと袋148円

さすが、鹿児島。買い占めたい衝動にかられる。東京のスーパーでは倍以上の398円だった。

鹿児島空港に向かう。

ここで、お客さんと待ち合わせをしている。

九州の焼酎の大半はここの「種麹」を使って醸造されている。

創業者の河内源一郎さんが生涯取り組んだのは「焼酎が腐敗してしまう」原因となった暑さに弱い麹菌を九州の焼酎醸造用に改良することだった。

現在は3代目山本正博氏がその志を受けて事業を継いでいる。

さぁ、館内にいってみよう。

大きな事件を受けて「麹菌」への理解を求める意見書が掲示されている。

もし、そもそも「麹菌」そのものに危険性があるのなら、はるか昔から健康被害が問題視されているはずだろうから、あくまで製造上の問題であると思う。

「麹」は麦など(米も含む)を原料とする「こうじ」の呼称で、

米からつくる「こうじ」は

」と書くのだそう。「米の花」、なんて美しい。

覚えるのに苦しめられたうらみつらみの漢字だけど、このあたりは一文字でその由来や意味や、つまり文字に込められた世界をあらわすことのできる中華の文化であると思える。

売店コーナーにはさまざまな麹・糀のほかに九州の焼酎がならぶ。

チェコの「ピルゼン」ビールも醸造(麦芽とホップ)しておりここで飲むこともできる。

ただ、中瓶よりちっちゃいのが一本900円ほどするのでは手が出ない。これで売れるのだろうか。

その昔、東欧を旅していたときにピルゼンにビールを飲むためだけに立ち寄ったことがある。

おっさんたちが休日でもないのに(わからんが)朝から大ジョッキ(1リットルくらいの)飲んでうだうだしていた。

もちろん、わしもまねしてそこで朝からうだうだした。

朝からうだうだしない世界で暮らしていると違和感があるけど、その違和感を体験するのも旅の醍醐味だと思っている。

中東のイスラム寺院のモスクで礼拝している様子、あるいはガンジス川の沐浴なんかもふだん神や仏と向き合うことのない我々にとって、生きることの意味を感じさせる光景だと思う。

案内してくれたお客さんは奥さんから頼まれて、「こうじ水」の本と乾燥糀を買って帰るというので、おなじものをまねして購入した。

「お肌がつるつる」になるという。

北九州の女子たちのようにお肌がつるつるになりたい。

あながち、紫外線の量だけではあるまい。つまり、食生活にヒミツがあるのではないか。

こうじ水で「お肌がつるつる」生活をはじめる。

500gで896円。500mlの水に糀を100g使い、冷蔵庫で保存し3日以内に飲みきる。ただその後その糀は3回使えるとのこと。

こうじ水をつくるには糀を使うのだそう。

なくなったらお客さんは送ってくれるという。

さて、なんのために「バレル・バレー・プラハ・チェコ村」にやってきたのかは、次回ご説明しよう。

Barrel Valley Praha&Gen(バレル・バレー プラハ&GEN)バレルバレー(チェコ村)[ 公式ホームページ (praha-gen.com)

作成者: user

還暦を迎えてますます円熟味を増す、気ままわがまま、ききわけのないおやじ

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