定年退職まであと3ヶ月というときに、東京出張。大人数で早朝から行動をともにするため、練馬には泊まらず新橋愛宕山にステイとなった。北九州に単身赴任してもうすぐ4年となる。その間の東京の都心部の変わりようにいまさらながら驚く。
ほとんどのタクシーも、Suicaアップルペイに対応していて、キャッシュレスで便利さを実感した。九州の交通系ICカードNimocaは珍しいのか、運転手さんが不安そうにまじまじと眺めていたので、あとは全てSuicaを利用することにした。
2017.4.3 早朝の虎ノ門ヒルズはオリンピックを応援していた。
一方で、どんなに金を積まれてもここでがんばりたいと、言ったか言わないか知る由もないが代々の暖簾を守る老舗もある。
土地の取得交渉に臨んだ人たちの苦労がしのばれる。おそらく蕎麦も喉を通らなかったのではないか。
仕事場に向かう。東京駅と皇居の間にある大手町は高層ビルへの建て替えのラッシュで景観が一変しているものだから、土地勘はあったはずだがきょろきょろしてしまう。無機質で味気のないビルがこじゃれた高層ビルに建て替えられ、1Fにコンビニ、地下には個性的な飲食街、というスタイルとなっている。
いつのまにか「Financial City」なるものが出現しており、地下鉄丸の内線大手町駅と直結し、古びてあちこちひび割れていた大手町の駅が六本木の駅のようにピカピカに様変わりしていた。
仕事場へ到着。もうここで仕事をすることはない、と思うと感慨深い。
仕事を終えて、居酒屋をさがす。サラリーマンの出張の楽しみといえばこれに限る。
ベルギービールの店やマレーシア料理にワイン居酒屋、いろいろありすぎて目移りしてしまう。
若者にはよくても新橋烏森口の猥雑な居酒屋の似合うわしらおやじ軍団はこじゃれすぎるのも心もとなく、地下へと移動することに。
看板に目が釘付けに。天下の大手町のサラリーマンといえども、毎回高級店に出入りするわけにもいかずやはりこのような店があるのはありがたいことだろう。店舗のコーディネーターに告ぐ。居酒屋はこじゃれすぎるとおっさんたちは遠のいていくことを忘れるないでくれ。「ただいま」感が大切。「おかえりなさい、疲れたでしょう?」「お食事?それともお風呂になさる?」感をわすれてはいけない。
水が流れるように、吸い込まれるように入店。アーリータイム、という縛り、ひとり2品の注文が必要、60分さらに延長するばあい、一からリセットとなり再度一人2品注文という説明を受けおつかれさまの乾杯!フロア係、厨房のおばさんはみな給食センターの職員のような白い服で、いかにも定食屋さんの雰囲気をだしている。じゃぶじゃぶ飲んで、おつまみはどれもおいしく安いのが嬉しい。飲み放題にありがちな発泡酒やいいかげんな日本酒ではなく銘柄家柄出自のしっかりしたものをだしてくれる。わしら出張仕事帰りのしがないリーマンのみならず家で夕食をとりたくないプチ帰宅拒否系の管理職のおやっさんたちにも重宝されているのではないだろうか。大手町も日々進化しているなぁ。
無事ミッションを達成して北九州空港へ政府専用機で。座席の隣の昭恵夫人に自分の行動と忖度には十分気を付けるようにと諭しておいた。
2017.4