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両生類への改造計画

西伊豆、土肥にある「CENTRAL SPORTS」の秘密研究所。秘密のわりには国道136号線沿いで、心太(これで「ところてん」と読む)の製造直売のおみやげやさんの向かいにある。

人類は宇宙開発に各国しのぎを削っているが、ひそかに「人類を両生類に改造する計画」も進んでいる。そもそもカエルやサンショウウオ、オタマジャクシに代表される「両生類」は「魚類」と「爬虫類」の間に位置する脊椎動物で、この計画は「哺乳類」でありながら「両生類」の特徴を兼ね備える新種の人類をめざすという奇想天外な計画である。水中でも陸と同様活動できるよう人間の水中生活の実現に向けて着々とトレーニングが行われている。国家プロジェクトであるが、表向きは民間の親切丁寧な指導で定評のあるスイミングスクール「セントラルスポーツ」の看板が研究所に掲げられあたかも普通のプールであるかのようにカモフラージュされている。いずれ海中での暮らしのための基地「海中ステーション」がつくられ、手狭になった日本の住宅事情から解放されることになろう。あるいは軍事目的に利用され水中の工作員、破壊活動に携わることになるやもしれない。

ここでは、水深4メートルのプールが用意され、水中生活のためのトレーニングが行われている。現地スタッフは日体大から送り込まれ、受付ではいかにもスイマーらしい体形の1年生のかわいらしい娘が慣れないゆるい接客をしている。


目の前に東海バスのバス停やSUZUKIのディーラーもあり、これで改造計画が秘密裏に行われるのか疑問。プールの底の側面にはミラーがあり、両生類に進化したおのれの姿を目視直視確認することができる。日大アメフット部と違い日体大の女子たちは笑顔をたやさず危険な行為を指示することもない。そんなゆるいトレーニングで水中生活ができるのだろうかと心配になる。水深4メートルは深く感じるかもしれないがフィンをつけるとすぐに底につく。スキューバのライセンスをとった新宿DO SPORTSの10メートルプールと違ってあっけないがそれでも水中をそこそこ楽しめる。

ここでトレーニングを受けるのには秘密結社ゆえ、正会員の紹介が必ず必要で私は会員番号101号の「S」を通じて入会することができた。1Fの1号室、ではない。勘違いしないでもらいたい。「口がかたい」ことも入会の条件とされており、秘密を暴く心配のない私はそれを許された。受付で「入会申込書」にトレーニング費用2500円を添えて申し込む。野望に満ちた国家プロジェクトにしては良心的な価格設定である。会員Sはすでに沖縄慶良間やこのプールで数十年訓練を積んできたため、おどろくべきことに手と足にかえるのような「水かき」がうっすらできている。したがっていずれマスクはともかくフィン(足ひれ)が不要となる日も近いであろう。


会員Sは自在に潜る。えらが発達したのだろうか。いずれ人類初の「両性人類」として登録されるだろう。そのさきは念願の「雌雄両性具備」だ。本人は「陸の生活には飽きた」といっている。こんなことを先輩にいってはなんだが、私も先輩は陸より海で暮らしたほうがいいのではと思っている。へんないいかただが「陸では息苦しい」ように見える。体型も進化の結果本マグロのように腹の部分が膨らんで紡錘形というやつになってきているが、その後の進化の方向性を誤り、どちらかというとあざらし、とど、せいうちのなかまに近くなってきている。両生類改造研究所会員でもないのに「とど」になってしまっている中年のおじさんおばさんもいる。どうしても訓練中に海水を飲んでしまうため塩分の摂りすぎで血圧も高く糖尿病の境界値を彷徨ってもいる。口にするものも「海のもの」がメインで刺身と「八海山」という「海」のついた名前の新潟の酒を好むようになった。改造がもたらす残念な副作用といわねばならない。


このプールの特徴は潜って浮上した後、この浅瀬のようになったスロープがあることで、腹ばいになって上陸することができる。ちょうどワニが陸にあがってくるさまを体験でき、海から陸への生物の進化の過程を再現するかのようだ。

日々の「ひとりRaizap」でウエストもなんとか絞れた。2018.9.12



合宿の宿は「土肥伊藤園」。伊豆箱根方面で人気の伊藤園グループ。ただ国家プロジェクトにしては温泉に浸かりバイキング飲み食べ放題とは甘すぎないか。ゆるすぎないか。「だって、ビールもスーパードライだし、カニ(ただし、紅ズワイガニの身のすかすかのやつ)も食べ放題だし、それで1泊7,000円ほどで泊まれるんだもん」と二人で開き直る。

ここは昔「大和館」という高級ホテルだけあってロケーションは抜群。夕食バイキングではスーパードライサーバー至近の席に我々は陣取り、鯨のように飲み、カニの殻がみるみる積みあがる道は遠いといわねばならぬ。


 

作成者: user

還暦を迎えてますます円熟味を増す、気ままわがまま、ききわけのないおやじ

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