なめきっていた会員になるための資格試験にかろうじて合格し、3月末に新入会員オリエンテーションを受けた。
会員数1700人を擁するNPOとしては大規模なボランティア団体で、質を維持するためすぐにガイドとなれるわけではなく、1年間各部会で「修業」しなければならないし、さらに認定試験に合格してやっとこさ「本ガイド」となれるとのことであった。
「公益財団法人」や「公益社団法人」など、「公益」がついている財団社団は東京都などから認定を受けるために様々なハードルがあって、ふつーのNPOが「書類上審査基準を満たしている」だけでさっさと設立できるのと訳が違う。
NPO法人はこのように事業報告と活動計算書などの財務諸表が公開されています。
当然のことながら報酬など期待せず持ち出し覚悟でガイドとして日々研鑽を積みガイド業に励んでほしいと訓示があった。興味のある部会の各ブースには16期生が群れて活動内容に耳を傾けている。なんだか大学の入学式のあとのサークル勧誘と就職試験会場をあわせたような景色だった。
ガイドに必要なのはまず笑顔、そして声が大きくないといけない。死神のような、世をはかなんでいるような、生きていてもしかたないと思っている人には向いていない。
会場に来ていた「同期」生を見渡すとやはりボランティアを志す人たちだけあって、力が余っていて老若男女それぞれがなにかしらやってやろうという精気にみなぎっている人が多いような印象を受けた。とくに30~40代の女性は活発で明るくまぶしい感じがする。
10人からのお客さんを案内するわけだから、間違ってもひとりふたり見失ってしまうことのないよう目配り気配りが必要であるとガイド業の基本をたたきこまれる。趣味のサークル、同好会ではなく責任を伴う「仕事」だということ。
地域の歴史、文学、江戸、下町、商店街、食べ歩きなど興味のある部会に所属し自分のスタイルをつくっていく。28のガイドコースには「都電荒川線めぐり」もある。なかなかしぶい。
定番の皇居周辺だよおっかさん。
主要なお客さんは年配の方々と修学旅行生。外国人は旅行会社があらかじめガイドをつけているケースが多く、以外にもさほど多くはないという。いずれにせよまずは下見をしてその土地を知ることからはじまるわけですね。
職場関係でないあらたな人づきあいがはじまる。気弱で人見知り、地味で口下手な死神のようなおやじにガイドがつとまるのだろうか、、、