2019年6月10日

家の建て替え~「サブリース」のばあい~

「30年の家賃保証」?

うさんくさい。「サブリース」を異様に熱心に勧める住宅メーカーは対象から除外することにして、最初から「勧めません」といってきたメーカーを選んだ。

10年後ならともかく30年後のことなんてわかるはずがない。人口減少、賃貸物件の過剰供給、東京がどうなっているか、、、そして自分も痴呆症になって、ぽわーんとした妻と頼りない息子を残して逝ってしまうとしたら、、、


それを「空室でも家賃を30年保証いたしますので安心です。物件の管理、入居者の募集、トラブルの対応も弊社で致します。相続税対策にもなります。」という。

大家になるおじいさんはさんは「それなら安心だね」とおばあさんと胸をなでおろす。


パンフレットにはたしかに「空室があっても家賃を保証する」と書いてある。

でも、借りているんだから家賃を払うのはあたりまえだ。

「家賃を払います」といっているのとなんらかわりがない。それをあたかもありがたいことだと思わせるあざといサブリース会社の言葉選びがみてとれる。

まるごと借りているのだから空いていようが満室だろうがそれは借主が考えることだ。

保証でもなんでもない。

一般的に10年間は当初に提示された家賃は保証するがその後は2年ごとの賃料の見直しをすることになっている。


メーカーは「家賃の見直しをいたします」とはいっていた。新築だと入居希望者があって部屋は埋まる。それが10年経過するとどうなるか知っているからメーカーも空室リスクを怖がって10年目以降は同じ家賃を保証できないことをうたっている、ということだ。


この定めを業者は自分のいいように使う。

この定めがなければ「保証する」の意味が生きてくるわけだが生きないように準備されている。だから、「保証」は不当な表示といっていい。

10年後以降の「経済事情の変動を理由」とした家賃減額要求でサブリース会社と大家さんとの間でトラブルがおきている。TVコマーシャルする大手業者とのあいだで家賃減額訴訟が起きている。大手だから安心どころか「詐欺まがい」なことを「安心」をセールストークにしてやっている。


ここでポイントとなるのは

「サブリース契約は業者側からの一方的な解約ができるということ。

法律上は仮に契約書に「中途解約禁止条項」があったとしても「借主の利益を一方的に害する特約」として無効になるという。(「借地借家法」

同法は「借りている人を保護する」法律だから業者を守る法律となっている。サブリースを最高裁が判例で「一般的な賃貸借契約」であるとお墨付きをあたえたものだから「借地借家法」の適用を受けることになった。


借主(サブリース会社)を強く保護する借地借家法第30条の強行規定

第30条  この節の規定に反する特約で建物の賃借人に不利なものは、無効とする。


「サブリース会社」に不利な特約は無効だ、といっている。業者はこの30条を味方につけて「家賃保証」をうたい文句に商売をしている。


具体的には家賃の減額を拒否したら業者は解約を申し入れしてくるだろう、ということ。

「賃料を減額しないという賃料不減額の特約」があったとしても、上記30条により借地借家法によってこの特約自体が無効とされ、サブリース業者は、賃料減額請求権をあくまで行使できるとした裁判例もあるという。


この「借地借家法」の説明は「ヘーベルハウス」も「ミサワホーム」もなかった。

「聞かれなかったから」というのかもしれない。


「暮らしっく不動産」(新宿区)によると

サブリースの多くは「アパート建築」+「サブリース契約」という場合がほとんどで、
「アパート建築」の建設費に空室リスクの費用が上乗せされている場合も多く
そのためサブリース会社はまず建設の部分でほとんどの利益を出す、という。


建築費が驚くほど高いのもサブリースを前提とした建築を異様に熱心にセットで勧める理由もわかった。


あらかじめ建築費に仕組みが組み込まれているからだね。

大手業者の見積書が驚くほどシンプルでざっくりあっさりしていることを不思議に思っていた。それにすぐに作り変えてもってくる。まるで芸能関係の会社の請求書のような2ページほどのメモのようなぺらで交渉を進める。大幅な「特別値引き」のシナリオがあるから詳細に作ってもしょうないやんくらいに思っていたけど。


地元の中堅業者2社に依頼したそれは柱1本から積み上げ計算するものだから数十ページにわたって金具などの材料費から工賃などが詳細に具体的に記載されている。40年仕事してきて経験上世間一般それが当たり前だという思いがあった。


本音は「家賃の減額」ではなくわずかなちまちまして手のかかる管理手数料とはさっさとお別れして新築建築物件のもうけ話にこそ情熱を傾けたいということなのだろう。しかしこの借地借家法の部分はずるいぞ。

借地借家法くんもよくない。サブリースと手を組んだメーカーを手厚く保護する部分も除外しないといけないな。


契約を解除した大家さんはそうすると、その後は周りに新築物件があるなかで地元の不動産屋さんに頼むか、借主を自ら探し、入居者交渉をしなくてはならない。

業者は新築物件の「若くてきれいな」「おいしい」ときだけ家賃保証し、味が落ちてきたその後は一方的に手切れ金も支払うことなく縁を切ってしまうことができる。縁を切らずとも引き続き入居者を確保できる物件は10%の「手数料」がいただけるわけだから悪い話ではない。会社は大家と縁を切ったとしても建築段階ですでに利益は先取りしてあって実害はない。サブリースは建てさせるための「おとり」なのかもしれない。


 


大分でも大手の事務機器メーカーの工場の従業員をあてこんで近隣にレオパレスを2棟建てたものの、工場を閉鎖することが決まり頭を抱えている大家さんがいると聞いた。

建築基準法違反がさらに追い打ちをかける。

この商法は業者がリスクを負わず建築費でまずリスク分の利益を上乗せし、10年間だけはアフターケアし(10年以内でも家賃の減額請求をしてくる会社もあり)その後のリスクは大家がすべて背負う、①メーカーと②サブリース会社、③そして守るべきでないサブリース会社を保護してしまう借地借家法とが手を組んだ「悪魔のささやき契約」ということになろう。


2019.6.10

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