「自宅を業者に改築してもらい、その自宅を業者に売っぱらってそのあと死ぬまで家賃を払いながら家に住み続ける」リースバックではなかった。よかった。「所有権を移転させる」ことと「賃貸契約を結ぶ」という2点にあやういものを感じていたから。
この「リ・バース60」では「所有権の移転」もなく、また「家賃を一生払い続ける」のではなく、60歳以上でも融資を受けられ(自宅を担保に入れ)、融資資金で老朽化した自宅を改築しその後「利息」を一生払い続けるというもの。
ここでの「RE・BIRTHは生まれ変わる」という意味かな。
本人が亡くなったときは、借入金の残金を返済するか、自宅を売却し返済に充てる、融資限度額は自宅の評価の60%まで、売却したときの価額が借入金の残高を下回ったときは追加で返済しなくてよい(ただし、債務免除益は一時所得で申告が必要)、公庫からの借入を利用し利息は1.45%とのこと。(SBIエステートファイナンスとは別の業者)
渋谷区の物件であれば値下がりは考えにくい。
利息は高め。住み続けられる特典付きの住宅ローンで利息という名の家賃であり、利息が未払い(死亡)となった時点で一括返済を求められる、という理解でいいのだろうか。あくまで「融資」であるが返済して残債がなくなればいいけれど「死ぬまで払い続ける」のは「リースバック」と同じ。
3階建てまで建築可能なのに奥様が自分たちの家に知らない人が住んでいる、というのがいやだといっていて賃貸併用住宅にしなかった。ヘーベルハウスの鉄骨ならできそうなものだけど決定権は奥様に完全に掌握されている。
高齢者向けのさまざまな商品が出回っている。
さいきん、友人たちが立て続けに亡くなっている。全員「おとこ」。
会社員をやめて年金もらってこれから満員電車に乗らずに済むというちょうどそのとき、今まで納め続けた社会保険料は国への寄付金となり。
表向きは「がん」だけど大手の企業で働きづめで心身を消耗させたのだろうか。
このままいくと世の中、おばあさんだらけになっていくのではないか。
おばあさん列島になっていくのではないか。
ご承知の通り平均寿命も圧倒的におばあさんが長い。
ざっくり10年以上健康寿命も長いはずだ。
しだいに弱っていくような感じもしない。
ゆらゆらよろよろ歩いているのは「じじい」が多い。
久々に友人と飲んだが、確実に急に「老けて」いた。ぼくでも電車の中で立っていたら迷わず席を譲るくらいに。
しゃべる速さもゆっくりになって、声に張りがない。黒澤明の「生きる」の志村喬のようだった。
JALのキャビンアテンダントを見つめることはできなかったが、じっとなめまわすように観察した。
歳はひとつしか違わないのに、ぼくもまわりからは同じようにみられているのだろうか。
いまの仕事もそれに近いが。